2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590576
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小内 伸幸 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (50323605)
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Keywords | 免疫 / 樹状細胞 / サイトカイン / ヒト化マウス |
Research Abstract |
申請者は2007年に樹状細胞(dendritic cell: DC)サブセットのみに分化する共通DC前駆細胞(common DC progenitor: CDP)を発見した(Nat Imunol., 8: 1207-1216 2007)。このCDPは従来型DC(conventional DC: cDC)への分化能は優れていたが、形質細胞様DC(plasmacytoid DC: pDC)への分化能は弱く、CDP以外の前駆細胞の可能性が示唆されていた。こうした中、マウス骨髄細胞をpDCへの分化能を指標に詳細に解析した結果、新規のDC前駆細胞を発見した(Immunity, 38: 943-957, 2013)。この新規DC前駆細胞はCDPと同様にin vivoにおいてDCサブセットのみに分化した。特筆すべき点は、CDPよりも数倍pDC分化能に優れ、また前者のCDPとは異なり、M-CSF受容体(M-CSFR)が陰性であった。さらにpDCの分化と維持に必須な転写因子E2-2を高度に発現していた。これらの結果から、申請者は先に発見したM-CSFR陽性であるCDPと今回発見したM-CSFR陰性のCDPの2つをまとめてCDPと再定義した。さらにこれら2つのCDPの上流の起源細胞を検討した結果、LMPP(Lymphoid-primed multipotent progenitor)から直接分化してくる新規のDC分化経路を発見した。これらの研究成果は血球分化経路図にDC分化経路図を追加する重要な発見である。 また、ヒト臍帯血からMLP(Multi potent progenitor)、CMP(common myeloid progenitor)、GMP(granulocyte and monocyte progenitor)、MEP(megakaryocyte and erythrocyte progenitor)を純化し、in vitroにおいてDCへの分化能を検討したところ、マウスと同様にヒトMLP、CMP及びGMPはDCへの分化能を示したのに対し、MEPはDCへと分化しなかった。また免疫系ヒト化マウスの骨髄から上記前駆細胞を純化し、DCへの分化能を検討したところ、臍帯血由来の前駆細胞を用いた実験と同様な結果を得た。今後はヒトDC前駆細胞を同定するため、さらなる絞り込みを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、新規DC前駆細胞を発見し、定常状態におけるDCの分化供給源となる前駆細胞は全て発見したと考えられる。また、CDPから各DCサブセットへの分化決定を制御すると考えられるサイトカインTPO(Thrombopoietin)とM-CSFを同定した(Immunity, 38: 943-957, 2013)。 また、DC分化を制御する転写因子の発現制御領域の下流に蛍光タンパク質遺伝子を発現するレポーターマウスを用いてCDPの可視化に成功した。今後は、CDPの骨髄内動態を解析し、CDPと相互作用するニッチ細胞を同定し、DCサブセットへの細胞運命決定機構の解明への手がかりになる有望な進展である。 また、ヒト臍帯血や免疫系ヒト化マウスから純化した前駆細胞群(MLP、CMP及びGMP)からDCサブセットが分化してくることが確認できた。また、これらヒト前駆細胞における遺伝子発現プロファイルからDC前駆細胞に発現していると予想される細胞表面マーカーを同定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒトDC前駆細胞の同定に重点を置く。既知のヒト前駆細胞であるCMPとGMPにおける遺伝子発現プロファイルデータを解析したとことろ、GMPに高度に発現し、DC前駆細胞同定の候補となりうる細胞表面マーカー分子を発見した。今後は、これら分子に対する抗体を用いて臍帯血及び免疫系ヒト化マウスの骨髄細胞からDC前駆細胞の絞り込みを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
事務手続きの関係上、次年度の使用額として計上することとなったため。 一部の消耗品目の支払いが4月になったため。 事務手続き上のことであり、次年度の消耗品費として計上する。
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