2014 Fiscal Year Annual Research Report
IL-18誘導性ヘルパーNK細胞と抗腫瘍性γδ型T細胞との相互作用解析
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24590581
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 義正 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (90280700)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | γδ型T細胞 / IL-18 / NK細胞 / イソペンテニルピロリン酸 / T細胞受容体 / ブチロフィリン3A1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、初年度で行った、IL-18誘導性ヘルパーNK細胞と通常のNK細胞とのオミックスの結果を検討し、第2年度に取得したIL-18誘導性ヘルパーNK細胞および腫瘍細胞傷害性γδ型T細胞に対する特異的モノクローナル抗体の被認識構造の探索を行った。これにより、抗原の取り込みと提示を行うCD14陽性モノサイト、IL-18依存性ヘルパーNK細胞、腫瘍細胞傷害性γδ型T細胞がどのように相互作用し、最終的にγδ型T細胞の増殖誘導の亢進が生じるのか詳細に解析した。具体的には、モノクローナル抗体のうち、ウェスタンブロッティング可能な抗体を選択し、大用量で免疫沈降を行った。その後、SDS-PAGEで展開し、イオンスプレイ型質量分析器を用いて、タンパク質の分析を行った。また、オミックス解析で得られた結果との照合を行い、γδ型T細胞を効率的に増殖誘導するのに必要な分子の特定を行った。その結果ブチロフィリン3A1がγδ型T細胞の特異的抗原認識に重要な役割を有していることが明らかになった。その機構として、抗原細胞内に蓄積したイソペンテニルピロリン酸がブチロフィリン3A1の細胞内領域に結合し、その結合によってもたらされたブチロフィリン3A1の細胞外領域の構造変化が、γδ型T細胞受容体に特異的に認識されることが示唆された。これは、従来のMHC/ペプチド複合体をαβ型T細胞が認識するコンベンショナルなT細胞認識機構と全く異なるものである。今後は、これらの結果を基に、新たながん免疫療法の確立を目指す。
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Research Products
(15 results)