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2012 Fiscal Year Research-status Report

ネクローシスDNA断片化の意義―酸化ストレスと免疫反応の制御

Research Project

Project/Area Number 24590587
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

水田 龍信  東京理科大学, 生命医科学研究所, 准教授 (50297628)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsネクローシス / アポトーシス / DNA断片化 / アセトアミノフェン / 酸化ストレス / TUNEL
Research Abstract

細胞死は大きくアポトーシスとネクローシスの二つに分類される。細胞死の際の180bpのDNA断片化はアポトーシスの指標とされている。我々はこれまで、アポトーシス時に見られるのと同様のDNA断片化がネクローシスの際にも見られることがあり、それを司っている酵素の一つがDNaseγであることを明らかにしてきた。DNaseγ遺伝子欠損マウス(KOマウス)に解熱鎮痛剤アセトアミノフェンを大量投与し、肝細胞ネクローシスを誘導したところ、野生型マウスに比べてKOマウスでは感受性が亢進していた。この原因としては酸化ストレスが重要な要因であることが示唆されていたが、ネクローシスの原因とその制御メカニズムに関しては不明な点が多かった。昨年度までの解析の結果、ネクローシスの直接的な原因として、酸化ストレスに伴い産生される毒性の高い低分子量不飽和アルデヒドであるアクロレインが関与する可能性を見出した。これまでアセトアミノフェン誘導性肝障害の原因はアセトアミノフェンの代謝産物NAPQIによる細胞毒性が主たる原因といわれてきたが、実はこれは一次損傷の原因であり、さらなる損傷の拡大は、引き続いて生じる酸化ストレスと、その副産物であるアクロレインによる二次損傷に因る可能性が示唆されていた。今年度、いくつかのアクロレインの阻害剤を用いてアセトアミノフェン誘導性肝障害の抑制効果を検討したところ、顕著な肝細胞壊死の抑制が認められた。また、KOマウスに比べて野生型マウスで損傷が抑制されるのは、DNA断片化により遊離するヌクレオソームにアクロレインが捕捉されて中和されると同時に、細胞の崩壊と遊離による周辺細胞からの隔離がアクロレインの拡散を防いでいる可能性が示唆された。さらに今年度は、アポトーシスのDNA 切断酵素であるCADの遺伝子とDNaseγ遺伝子の両方を欠損するマウスを作製した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

アセトアミノフェン誘導性肝障害の原因として、酸化ストレスに伴い産生される毒性の高い低分子量不飽和アルデヒドであるアクロレインが関与する可能性を見出し、これをin vivo、in vitroの実験系で明らかにした。またヌクレオソームへのアクロレインの結合を生化学的に検出し、DNA断片化によるアクロレイン中和の可能性を見出した。一方、肝組織の電子顕微鏡解析により、野生型マウスに比べKOマウスの壊死肝細胞が壊れにくいことが明らかになった。さらにCADとDNaseγ遺伝子の両方を欠損するマウス(DKOマウス)を作製した。

Strategy for Future Research Activity

DNA断片化によるアクロレイン中和のメカニズムに関しては、ヌクレオソームが直接アクロレインを中和する可能性と、DNA断片化により死細胞の崩壊が進み、周辺細胞からの離脱が容易になることによりアクロレインの拡散が防がれている可能性が示唆された。今後この可能性を検証するために、生化学並びに免疫組織学的解析を推し進めるとともに、電子顕微鏡による微視的解析により、壊死像の詳細な検討を行いたいと考えている。さらにDKOマウスを用いて、アポトーシス、ネクローシスをin vivoで誘導した場合の病理像や症状の変化を検討し、それぞれのエンドヌクレアーゼの生理的役割に関し情報を得たいと思っている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

消耗品:薬品・試薬類:細胞培養用メデイウム、血清、ELISA kits (TNF-α,IL-6,IL-10), 抗DNA抗体価測定用ELISA kit、アセトアミノフェン、ノスカール、GdCl3、
クロドロネート、抗体(Mac-1, F4/80、Fas)
プラスチック器具:細胞培養ピペット(1 ml, 5 ml,10 ml, 25 ml)、シャーレ(φ 10 cm, 6 cm, 3 cm)、遠心チューブ(1.5 ml, 15 ml, 50 ml)
実験用動物:マウス飼育経費、C57BL/6 マウス購入
旅費等:研究打ち合わせ:共同研究の打ち合わせ、手技の取得

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] ウシ乳房炎と乳汁中HMGB1蛋白2013

    • Author(s)
      水田龍信、菊佳男、尾澤知美、菅原和恵、林智人
    • Journal Title

      日本乳房炎研究会 proceedings

      Volume: 17 Pages: 未定

  • [Journal Article] 乳汁中HMGB1蛋白量はウシ乳房炎重症度と相関する。2012

    • Author(s)
      水田龍信、菊佳男、尾澤知美、松原朋子、林智人
    • Journal Title

      日本乳房炎研究会 proceedings

      Volume: 16 Pages: 29-31

  • [Presentation] Identification of necrotic DNA fragmentation

    • Author(s)
      水田龍信、荒井智也、北村大介
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      福岡
  • [Presentation] ウシ乳房炎と乳汁中HMGB1蛋白

    • Author(s)
      水田龍信、菊佳男、尾澤知美、菅原和恵、林智人
    • Organizer
      17回日本乳房炎研究会学術集会
    • Place of Presentation
      東京
  • [Presentation] DNA 断片化による肝細胞酸化ストレス抑制機構

    • Author(s)
      水田龍信
    • Organizer
      第19回肝細胞研究会
    • Place of Presentation
      札幌

URL: 

Published: 2014-07-24  

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