2014 Fiscal Year Annual Research Report
ネクローシスDNA断片化の意義―酸化ストレスと免疫反応の制御
Project/Area Number |
24590587
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
水田 龍信 東京理科大学, 生命医科学研究所, 准教授 (50297628)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネクローシス / アポトーシス / DNA断片化 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞死は大きくアポトーシスとネクローシスの二つに分類される。細胞死の際の180bpのDNA断片化はアポトーシスの指標とされている。我々はこれまで、アポトーシス時に見られるのと同様のDNA断片化がネクローシスの際にも見られることがあり、それを司っている酵素の一つがDNaseγであることを明らかにしてきた。 DNase γはDNaseⅠファミリーに属する分泌蛋白で、DNaseⅠと同様に、ネクローシス細胞のDNAの分解に関与する。DNase γとDNaseⅠ、いずれの遺伝子の欠損によってもSLE様の自己免疫疾患を発症することが、最近明らかになっている。DNaseⅠは血液中の主要なDNA分解酵素であり、死細胞DNAの分解を担っていることは良く知られている。これまでの我々の研究から、DNase γも血液中に存在し、DNAの分解を担っていることが明らかになったが、DNaseⅠとDNase γの使い分けに関しては不明な点が多かった。今回、我々は血液中に存在するこの二つの酵素の活性を、わずか1 μl の血清を使って簡単に区別できる方法を確立した。その結果、次の事実が明らかになった。ネクローシス初期の、比較的クロマチンの変性が進んでいない状況にあっては、DNase γがまずリンカー部位に作用してこれを切断し、DNAを断片化する。ネクローシスが進行し、プロテアーゼが働くようになるとヒストンが分解され、DNAが漏出する。すると今度はDNaseⅠが作用し、 DNase γによって断片化されたDNAをさらに細かく分解する。すなわち、DNase γとDNaseⅠには時間・空間的な使い分けがあり、これが死細胞DNAを効率良く分解する仕組みであることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Acrolein, a highly toxic aldehyde generated under oxidative stress in vivo, aggravates the mouse liver damage after acetaminophen overdose.2014
Author(s)
Arai, T., Koyama, R., Yuasa, M., Kitamura, D., Mizuta, R.
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Journal Title
BIOMEDICAL RESEARCH-TOKYO
Volume: 35
Pages: 389-395
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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