2012 Fiscal Year Annual Research Report
複数記憶B細胞集団による、二次免疫応答調節機構の解析
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24590589
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
饗場 祐一 独立行政法人理化学研究所, 分化制御研究グループ, 研究員 (00273516)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 免疫記憶 / B細胞 |
Research Abstract |
IgM陽性記憶B細胞の機能をIgG陽性の記憶B細胞と比較するため、NP-CGGをalum adjuvantとともに免疫したマウスからIgM IgG陽性の記憶B細胞をセルソーターを用いて単離し、それぞれをあらかじめCGGで免疫したマウスへと移入した。移入後、adjuvantなしでNP-CGGを投与し、時間経過を追ってそれぞれの記憶B細胞がどのような細胞へと分化したかを検討した。我々のグループがすでに示しているとおり(投稿中)、IgG陽性細胞は抗原投与後4-5日に多数の細胞が抗体産生細胞へと分化しているが、IgM陽性細胞はそれと比較すると少数の細胞が抗体産生細胞へと分化していることが明らかとなった。また、naiveB細胞とIgM陽性記憶B細胞との比較ではIgM陽性細胞がより多くの抗体産生へと分化していることが明らかとなり、抗体産生細胞への分化能に関しては、IgM陽性記憶B細胞はIgG陽性記憶B細胞とnaive B細胞の中間の性質をもつことが示唆された。 IgM陽性記憶B細胞の分化が、胚中心B細胞を経て行われるかを明らかにするため、胚中心B細胞の分化に必須のbc16分子をB細胞で欠くマウスを作成し、このマウスでIgM陽性記憶B細胞が生成するかについて検討した。その結果、bc16欠損マウスでは生成するIgM陽性記憶細胞の数は野生型マウスと比較して減少するものの、野生型で見られるものと同様の細胞表面抗原マーカーを持つIgM陽性記憶B細胞が生成することが明らかとなった。また、bc16欠損マウスでのIgM陽性記憶B細胞の減少は、高親和性抗体産生B細胞を多く含む亜集団でより顕著であった。これらのことから、IgM陽性記憶B細胞のうち、一部のものは胚中心B細胞を経由して生成され、またそのことによりIgM陽性記憶B細胞は抗原に対する高親和性を獲得することが示唆された。
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