2013 Fiscal Year Research-status Report
小グループ学習における医学生の学習スタイルに関する文化的検証とモデル開発
Project/Area Number |
24590605
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西城 卓也 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90508897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 ちひろ 岐阜大学, 医学部, 助教 (50610440)
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90154559)
今福 輪太郎 岐阜大学, 医学部, 助教 (40649802)
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Keywords | 国際情報交換(スコットランド) / 国際情報交換(オランダ) / 質的情報収集・分析 |
Research Abstract |
平成25年度は、国内外の研究者との情報交換を交えながら研究方法の微修正を行うことが出来、また学内での質的なデータ収集を重ねはじめることが出来た一年であった。 研究方法の微調整に関しては、学習スタイルの定量的測定に関する問題が最近の知見から浮かび上がったことである。すなわち、学習スタイルはまずその種類そのものが多様であること、また個人個人においても、状況によって学習スタイルが柔軟に、時に不安定に変わり得ることが示唆されている。それゆえその個人の特徴的な学習スタイルを定量化・定式化することは困難であるということだ。これは他の文化的特徴を示す質問紙表との相関などを測定することが困難であることを示唆するものであったため、研究手法をより質的な方法でデータを収集し、その分析に集中することとなった。 質的なデータ収集活動では、医学生からのデータ収集に先立って予備調査を行った。海外留学を経験したことのある東アジアの医師の欧米諸国で経験したグループ学習に対する認識を探索し、報告することが出来た。研究の結果としては、Hofstedeの提示する文化比較のモデルにも合致する部分が多く、そのモデルを裏付ける東アジアのデータはこれまで少なかったため、貴重な成果が得られた。現在まで、医学生のグループ討議中における感情と討議行動に関する探索的情報収集を半構造化インタビューを通じて進めており、先行知見とは異なる学習者の感情表出と行動パターンが解析されてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的としては、「日本や東アジアの文化に適した小グループ学習方法・それに伴うグループファシリテーション方法を開発すること」を掲げている。 現在までにデータは順調に収集されており、進捗は良好と思われる。しかし研究方法の微調整が行われ、また学習者の感情に関しても考慮すべきことが分かった。従って、方法のみならず、感情制御に関する先行文献の把握やインタビューガイドの改編などにも時間がかかり、若干遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
特に質的データを重視する方針に変更はなく、グループ討議における個人の認識や感情を半構造化インタビューを用いて調査する。同時に、実際にどのようにグループ討議が進められているのか、その事例を収集すべく、議論の録画と音声データを使用して談話分析を進めたいと考える。そのデータにはファシリテーターの声も当然含まれることから、ファシリテーション方法を考えるに当たり、重要なデータになると期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙による学習スタイルの定量的評価の計画が変更されたため、そのための質問紙配布(カナダ、台湾、韓国)は中止された。それに伴う訪問の費用を使用しなかった。 昨年から時期は遅れるが、国内外の学習現場での観察記録とデータ収集を計画している。国際学会などに合わせて教育関係者・及び医学生へのインタビューを実施するため、その渡航費と逐語録作成のためのテープ起こし代が必要となる。
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Research Products
(12 results)