2013 Fiscal Year Research-status Report
医療文書の自動点字翻訳を実現する辞書と固有表現点訳システムの研究開発
Project/Area Number |
24590609
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
菅野 亜紀 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (20457039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20332281)
一瀬 晃洋 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (90362780)
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Keywords | 自動点字翻訳 / 医療文書 / 辞書 |
Research Abstract |
本研究は、医療用語を多数含む医療文書の自動点字翻訳時の点訳制度向上手法の解明と固有名詞の点訳修正支援法の確立、を行う。 今年度は、(1)自動点字翻訳プログラム「eBraille」が使用している辞書の中に歯科領域の専門用語を追加した後に、これを組み込んだ歯科医療情報提供システムDentactを研究開発すると共に、(2)点訳修正支援プログラム作成に向けた固有名詞の解析方法を明らかにした。 (1)については、医療情報システム開発センターが提供している歯科病名マスター、歯科手術・処置マスター等に含まれる用語の中から、形態素解析ソフト「MeCab」を用いて辞書に未収録の用語を決定した。また、MeCabが単語の区切りに失敗する用語も決定した。これらの語を辞書に追加する対象として抽出し、辞書に追加した。そして、その辞書を自動点字翻訳プログラムが利用可能なように実装した。これを組み込んで、視覚障害の患者に歯科治療に関する点字文書や口腔内の状態を触図で提供可能なシステムDentactを、大阪大学歯学部の森崎市治郎教授の研究チームと共同で研究開発した。現在、このシステムは大阪大学歯学部附属病院で実運用されており、患者への情報提供に使われている。 (2)は、まず収集した医療文書に含まれる単語の中で組織名など病院職員が容易に読みや区切りを修正可能と考えられる固有名詞を対象に形態素解析し、その出現頻度と出現パターンを解析することにした。次に、病名や薬剤名などを解析対象とすることにした。 なお、(2)で研究開発した歯科医療情報提供システム「Dentact」は、2013年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動点字翻訳プログラムの辞書に歯科領域の専門用語を追加し、これを組み込んだ歯科医療情報提供システムであるDentactを研究開発した。このDentactは、2013年度のグッドデザイン賞を受賞し、新聞等のマスメディアでも報道されるなど、社会的に高く評価された。 今回、専門用語の辞書での収録数が増加し、今後の解析対象となる固有名詞も充実するなど、研究計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
医療文書内の固有名詞の出現頻度と出現パターンの解析を行う。具体的には、はじめに医療文書をMeCabに形態素解析させる。次に、形態素解析結果で得られた品詞情報のうち、固有名詞の細分類の「人名」「組織」「一般」が付与された単語を対象として、文書内での出現頻度を算出し、出現パターンとして出現箇所の前後の形態素を解析する。固有名詞の「一般」には医療用語以外の単語も含まれることが予想されるため、疾患名や薬剤名に限定して解析対象とする。その後、解析結果を基に修正支援プログラムを研究開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を発表した学会の開催地が勤務地に近かったことから、当初予定よりも国内旅費にかかる費用が少なかったため。 研究支援者を雇用し、研究成果の発表・関連研究の情報収集のための旅費等で研究費を使用する予定である。
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[Journal Article] 自動点字翻訳時の地名の読み精度向上のためのアルゴリズムの研究2013
Author(s)
菅野 亜紀, 梅田 由紀恵, 三浦 研爾, 大田 美香, 塚本 紗代, 池上 峰子, 花岡 澄代, 一瀬 晃洋, 松浦 正子, 前田 英一, 高岡 裕
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Journal Title
医療情報学
Volume: 33(Suppl.)
Pages: 1238-1239
Peer Reviewed
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