2012 Fiscal Year Research-status Report
医療安全に対する直接効果を発揮するインシデントレポート管理システムの開発と評価
Project/Area Number |
24590618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 武浩 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20372237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 正幸 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10143306)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リスクマネジメント / インシデントレポート / E-ラーニングシステム |
Research Abstract |
医療安全管理では、インシデントレポートの電子化が普及しつつあるが、従来のシステムは、オンライン報告とデータベース化が目的であり医療安全に直接効果を示すものではない。我々は、「インシデントレポートの積極的閲覧」と「再発防止策の確実な評価」により、直接的な安全効果を発揮するシステムを開発した。インシデントレポート数は本システム導入後年々増加し(H24年度はH25年1月までを補正)、本システム導入前の973件(H19年度)に対しH23年度は3,647件、H24年度は3,718件だった。インシデント事例の周知状況を示す月平均レポート閲覧数も年々増加し導入初年度1,738.9件(H20)に対しH23年度は15,091.3件、H24年度は16,612.4件と、H24年度では導入1年目(H20年度)の9.6倍に達した。インシデントの重篤度を示す影響レベルは、3b以上が、運用前のH18年度3.5%(34件)に対し、1年目(H19年度)1.2%(24件)、2年目(H20年度)1.3%(22件)、3年目(H21年度)0.98%(26件)、4年目(H22年度)1.78%(56件)、5年目(H23年度)1.37%(50件) 、6年目(H24年度)1.39%(43件)と導入後は、導入前より全年度において発生率が低かった。一方、本システムに導入した研修会内容のビデオ配信であるE-ラーニングシステムの利用状況は、H22、23、24年度の平均受講者数が785.0人、921.0人、762.3人であり受講率は38.9%、43.6%、34.6%だった。その結果、研修会受講者とE-ラーニング受講者を加えた総受講率はそれぞれ、60.4%、85.6%、84.2%と極めて高く、本E-ラーニングシステムも医療安全教育研修への参加者の増加に貢献しているものと思われる。以上により本システムが医療安全に対し有効と判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画であるインシデントレポートシステム長期評価は行われており、本システムでのEラーニングシステムの構築はほぼ完成しているため概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も引き続きインシデントレポートシステムの長期評価を実施するとともに、本システム上に構築したEラーニングシステムの詳細評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に学会発表・調査研究用の旅費、システム構築用のコンピュータ関連消耗品費、人件費・謝金他に使用
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Research Products
(27 results)