2015 Fiscal Year Annual Research Report
多学年参加型教育プログラムとIT遠隔指導による,新たな地域医療教育手法の開発
Project/Area Number |
24590624
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
兼松 孝好 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20381824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 弘隆 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80285212)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多学年医学教育ワークショップ / 多視点動画による教育効果測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域医療教育に関して新たな教育プログラムを提案できることを主な目的として、多学年参加型の医学教育的ワークショップ・セミナーを定期開催して、その教育効果と有用性を測定するとともに、ITネットワーク技術を活用した多施設間の遠隔教育システムを導入し、上記と組み合わせることで、さらに有効性が高まるかどうかを測定するものである。初年度に本研究で用いる地域医療教育に関する教育効果を測定するポートフォリオ形式の評価法を作成した。本研究で行われる医学教育的ワークショップ・セミナーは、低学年学生が模擬患者を演じながら、患者視点で医師役である高学年学生の模擬診療に対するfeedbackを行うものである。高学年学生にとっては、患者診療の実技OSCEを行うことで、患者側からの意見を得られる利点が大きかったが、平成25年度に本法による教育効果測定を行ったものの、低学年学生の客観的評価標準化が困難で、評価者そのものに対する質的評価も検証が難しいことが分かった。このため、OSCEを簡易カメラで録画を平行して行い、検証が可能となるよう工夫した。これにより、OSCE内容を検証追加できることが可能となり、複数の評価者(低学年学生、指導医師、指導コメディカルスタッフなど)で一定の統一した評価が可能となった。平成26年度には、多視点に配置した簡易カメラによる同時録画を行って、OSCEを行ったところ、患者目線、医師目線、第3者目線などからの評価が比較的簡便に行うことができ、実用に耐えうるものと確認できた。今後、地域医学教育において、多学年学生が参加する、多視点カメラ動画併用の診療シミュレーション教育が有効であることが確認でき、応用が期待できるものと考える。ITネットワークを連携教育病院に接続し、OSCEの課題を補うような講義を定期的に行うことで、教育効果をさらに強調することができることも明らかになった。
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