2014 Fiscal Year Annual Research Report
がんのサバイバーケアプラン実現にはたす日本のプライマリ・ケアの役割に関する研究
Project/Area Number |
24590629
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 教授 (60347739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 秀伸 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20325864)
前沢 政次 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (90124916)
北澤 一利 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00204884)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / サバイバーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
過去2年間の研究を踏まえ、二次医療と地域医療との連携を実現するためにはまず医療の利用者である患者に対する教育が必要であるとの結論にいたり、がん患者・体験者のセルフケア力を高めるためのピアサポートガイドブックを発刊した。 また、患者が求めているサバイバーケア、がんの地域連携クリティカルパスに対する認識について516名のがん患者・体験者に調査を行った。その結果、自分のがんの診断結果については半数以上の回答者が口頭と文書で情報を受け取ったと答えていたが、経過観察や定期検診については4割、発症する可能性のある後遺症や長期的な副作用については3割しか情報を口頭と文書でもらったことがなかった。また、発症する可能性のある後遺症や長期的な副作用については2割が情報をもらっていなかった。 また、がんの地域連携クリティカルパスについては、9割の回答者が「知らない」と答えた。連携手帳について7割近くが好意的であったが、手帳への支払い意思額は5割以上が1000円以下の金額を回答した。これは地域連携クリティカルパスに対する診療報酬上の患者負担額を下回る(3割の場合)。 以上を踏まえ、本研究では、がん患者・体験者が自らサバイバーシップに関わる情報を自分で管理するのが日本の現状に適していると判断し、インターネット上で患者が自ら入力することができるサバイバーケアプランのモデルを作成した。これは、登録者が自分の治療歴、今後の検査スケジュールなどを自由に記録できるインターネット上のデータベースである。 本研究が作成した「サバイバーケアプラン」は、がん患者の自己管理能力を高め、医療機関及び現場の専門職の負担を減らすためのモデルとなると考えられる。
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Research Products
(3 results)