2012 Fiscal Year Research-status Report
一般用医薬品の多剤併用時における安全性に関する研究
Project/Area Number |
24590634
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩瀬 万里子 昭和大学, 医学部, 助教 (70424273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 有希 昭和大学, 医学部, 講師 (40276572)
倉田 知光 昭和大学, 教養部, 教授 (80231299)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 一般用医薬品 / チトクロームP450 / セルフメディケーション / 薬物相互作用 |
Research Abstract |
一般用医薬品の多剤併用時の安全性に関しては、これまでほとんど検討されていない。そのため、多剤併用時の薬物相互作用による予期せぬ有害作用を回避することを目的として、一般用医薬品のチトクロームP450(CYP)に対する阻害効果をヒト肝ミクロソーム画分を用い検討した。本年度は一般用医薬品として精神神経用薬4種, 呼吸器官用薬6種, 消化器官用薬5種について、CYP1A2, CYP2C9, CYP2C19, CYP2D6, CYP3Aに対する影響を検討した。その結果、7種の一般用医薬品(noscapine, tipepidine hibenzate, methoxyphenamine hydrochloride, trimebutine maleate, papaverine hydrochloride, loperamide hydrochloride, oxethazaine)がCYPに対して50μM以下のIC50値を示したため、これらについてさらにKi 値ならびに阻害様式を明らかとした。tipepidine hibenzateはCYP2D6に対し強い阻害作用を示し、そのKi値は490nMであり、阻害様式は競合阻害であった。またnoscapineはCYP2C9およびCYP2C19に対し競合阻害を、CYP3A4には非競合阻害を示し、そのKi値はそれぞれ13.9μM, 2.72μM, 5.4μMであった。その他の医薬品に関しては、現在解析中である。今回CYPに対し強い阻害を示した医薬品については、今後さらに薬物相互作用を引き起こす可能性についての詳細な検討を行い、安全なセルフメディケーション推進のために、一般用医薬品の適切な選択、適正な使用のためのエビデンスとする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度検討した医薬品についてはCYPに対する阻害の有無およびIC50値についてはすでに明らかにしており、Ki値および阻害様式に関しても実験までは終了し現在データ解析中の状態であるため、おおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに品目数を増やしてCYPに対する阻害の有無、IC50値、Ki値および阻害様式の検討を行うと同時に、今回検討した医薬品とあわせて代謝依存的阻害の評価も行い、一般用医薬品の多剤併用時の安全性についてのエビデンスの蓄積行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度検討した医薬品は、CYPに対する阻害が強くKi値、阻害様式の検討が必要となったものは少なく、対象となった分子種も比較的使用する試薬等が少量で行えるものであったため、当該研究費が発生した。次年度は対象とする一般用医薬品の品目数を増やすため、引き続き一般用医薬品を購入するとともに、今回の結果も踏まえ、さらに詳細な検討を行うため、酵素活性測定用基質、酵素試料、HPLC関連消耗品などを購入する。
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Research Products
(2 results)