2013 Fiscal Year Research-status Report
院内感染対策コンピューターアルゴリズムの精度検証と改良
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24590635
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤本 修平 東海大学, 医学部, 教授 (90241869)
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Keywords | 感染対策 / 電子化 / アルゴリズム / 分子疫学 / 精度検証 / 電子疫学 / 耐性菌 / 感染制御 |
Research Abstract |
①複数の研究協力外注検査会社からVPN(virtual private network)を介してデータが送信される現行3病院について、データを複数病院のデータ処理に対応するようにSHIPL(Standardized Hospital Infection Lookout; 標準化院内感染症監視システム)を改変したTokai-SHIPLを用いてデータをリアルタイムで受信し、自動解析を行った。 ②電子システム上、集積が検出できた事例、および、コントロールとなる散発例について、さらに、109株の菌株収集を行い、収集した株についてパルスフィールド電気泳動法、POT法などの分子疫学的解析を行った。パルスフィールド電気泳動法の泳動パターンについては、自動分類のための入力を行った。電子システム上の耐性パターンによる菌株の弁別と分子疫学的解析による菌株の弁別が矛盾する例(電子システム上で別の株、分子疫学的解析で同一株となった例)については、感受性検査の再検査を行った。 ③これまでの解析でリスクの1つと考えた薬剤耐性について、確認が行えるように、近年急速に拡散しているESBL産生大腸菌を含む大腸菌株の収集を行った。 ④MRSAの2DCM-web(Two Dimensional Carrier Mapping -webバージョン;厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)で無償で提供している菌の院内拡散を可視化するシステム;本研究者が別の研究に於いて開発)解析を行っている他大学の研究者と意見交換を行い、当該の研究者が提案している指標と本研究者が行っている二項分布を用いた菌の異常集積の自動検出について比較検討を行った。 ⑤データの数理的処理法について検討を行った。 ⑥これまでの成果を含めた発表、論文の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①資料収集施設が施設側の事情で当初予定の4施設から3施設になった、それぞれから電子データの収集、電子データと結びついた菌株の収集が進んだ。 ②収集した電子データ、菌株の解析が進み、さらに、得られた知見から、耐性菌のついての菌株収集も始めることが出来た。 ③分子疫学データの系統樹解析、電子データとの突合に関する数理的処理について検討を始めた。 最終年度に解析結果の取りまとめを終了出来る目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度(最終年度)もデータ、菌株の収集、解析を進める。得られた電子データ解析の結果、および、菌株解析の結果を突合し、統計処理により電子疫学データの精度を検証する。精度に影響を与える因子を検証し、精度を向上するためのアルゴリズムの開発を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分子疫学的解析法(パルスフィールド電気泳動法)のプロトコールの改良によって、制限酵素などの試薬の使用量を減らせた。 研究計画に則って執行する。 1サンプルあたりの消耗品の使用量を減らすことが出来、手技も簡便化出来たので、解析する株数を増やすことにした。
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