2013 Fiscal Year Research-status Report
医学会分科会認定修練施設の子育・勤務支援策調査と女性医師が継続就労できる職場選択
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24590636
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
上塚 芳郎 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40147418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
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Keywords | 女性医師 / 男女共同参画 / 継続就労 / ジェンダー / 外科 / 支援 |
Research Abstract |
我が国では医師不足、医療崩壊が深刻化しており、現有資格者である女性医師の社会活用を促すことが急務である。女性医師の継続就労には、子育て支援、労働環境改善が不可欠だが、自分に適する支援策のある病院・診療所を探して勤務することは困難である。そこで病院毎・診療科毎の支援策カタログ(一覧)を作成すれば、女性医師に適した支援(院内24 時間保育、病児保育、他)のある認定修練施設を選択でき、継続就労を可能にし、認定医・専門医を取得できる優れた方策となり得ると考えた。新たに財源を探すのではなく、今ある支援を十分に周知・活用し、妊娠・出産を経て離職することなく、男女を問わず状況に応じて対応できる勤め先を得ることを目的として本研究を開始した。 研究成果として、80医学部・医科大学病院調査、手術器具の使い勝手に関する人間工学的調査、女性外科医が活躍するために必要な条件を調査し、勉強会を開催した。国際語での論文として、女性外科医が活躍するために必要な条件を" Women in surgery"でのべ、女性医師が編集委員に少ないことを"What are the qualifications and selection criteria for women to be appointed to society journal editorial boards?"でとりあげ、アカデミアでガラスの天井があり女性医師が脱落していくことを"Gender gap in academic medicine"にて述べた。 2013年に限っても、発信している情報は多岐にわたっており、女性医師支援に役に立つことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査結果を学会発表し、また論文にまとめた。論文では日本語ばかりでなく、国際語にても報告することができた。得た成果をもって勉強会を開催し、情報を発信し、女性医師のネットワーク作りに役立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
The Global Gender Gap Report 2013によると日本の女性の地位は136ヵ国のうち105位と、改善されておらず低い。近年、外科を目指す女性医師は増加しており、日本外科学会では会員数の7.2%が、また新入会員の19%が女性医師であり、増加は加速している。 引き続き、今年度も【1】日本において成功している女性医師支援の調査、【2】継続就労対策の文献およびWeb調査、【3】大学病院における女性医師支援の調査を行う。 文献及びWeb調査以外では、日本医学会分科会に属している学会での男女共同参画・女性医師支援セッションへの参加により、情報収集し、ネットワーク作りをして、研究だけでなく、改善のための提案に提案し、実際の労働環境改善につなげたい。しかし、女性医師にとって継続就労は、仕事と家庭の両立が難しく、小一の壁はあつく、就業率のM字カーブの谷はきついなど、解決すべき問題点は多い。今後の研究の推進は、問題点を抽出し、解決方法を提案したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が順調に進み、国際学会での発表、および国際語による発信を行い、また、成果報告の一部として講演会/勉強会を開催することが可能になった。 国際語による発信は、女性外科医師の手術室での労務環境を人間工学的に改善する内容であり、なるべく多くの研究者に読んでもらうためにOpen Accessで行った。また、最近、女性医師支援に子育て支援に続いて介護が加わってきているが、攻めのリハビリで介護の負担を減らすことが重要であることがわかったため、本研究に加え成果報告とした。費用として、国際学会での発表の旅費、英語論文のOpen Accessの費用、カラー印刷代、別刷り代、その他が今年度に必要になった。今年度に、次年度に計画した研究を行うことが可能になったため前倒請求して、さらに進めることとした。 後年度の交付予定額を減額しても研究目的を達成できる理由を以下に述べる。 平成26年度には、平成25年度に引き続き学会認定修練施設支援カタログ(一覧)を行い、追加して外国における女性医師支援調査:外国でのキャリアデザイン、ネットワーク作り、メンターの探し方などの取り組みを文献、報告書、Web、報告書、他を用いて調査する、特にフルタイムを可能にする因子、子供の数、年齢、ルール作りなどに重点をおく予定であった。支援カタログについてはアンケートの回収を終了しており、現在、集計している。研究者の時間と労働が必要であるが、多額の費用を必要としていないため、遂行可能である。
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