服薬コンプライアンスを改善する、患者に応じて見せる糖尿病シミュレーションモデル

2014 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 24590639
• Research Institution: Nippon Medical School
• Principal Investigator: 工藤 光洋 日本医科大学, 医学部, 講師 (20256978)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2015-03-31
• Keywords: 糖尿病 / シミュレーションモデル / 血糖値

Outline of Annual Research Achievements

糖尿病患者やその予備群の治療に対する理解と知識を深め、患者自ら血糖コントロールに努めることは糖尿病の治療や予防に非常に重要であると考えられている。本研究では、分子メカニズムのモデル構築・シミュレーションモデル解析ソフトウェア Cell Illustrator (CI)を用いて、コンピュータ上で血糖値コントロールに関与するシグナル伝達経路のシミュレーションモデルを構築し、糖尿病患者と医療従事者とのコミュニケーションツールとしての利用や、糖尿病治療薬の作用機序の解析や理解への利用を考えている。前年度までは、我々が構築した｢膵β細胞のインスリン分泌機構｣のシミュレーションモデルをベースとして、｢既知の論文データ｣を参考に、小腸、肝臓、膵臓の3臓器の相互作用を考慮した血糖コントロールと糖尿病治療薬の作用機序をシミュレーション可能なモデルを構築した。本年度は、この｢シミュレーションモデル｣の動態を｢ヒトの血糖値や血中インスリン濃度の実測値｣の動態に近づけるために、シミュレーションモデルの精度を上げる必要がある。我々は日本医科大学倫理委員会の承認を得て、75g経口糖負荷試験の血糖値と血中インスリン濃度の実測値データを参考にしながら、データ同化ソフトウェアDA1.0を用いてシミュレーションモデルの各パラメーターの調整を行った。データ同化に用いた実測値データは時系列のポイントが限られていることより、実測値から近似曲線を求め、その予測値データをしようしてシミュレーションモデルのパラメーター調整を行った。