2014 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の個別化医療:疾患感受性遺伝子を用いたPKーPDーPGxモデルの構築
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24590652
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古郡 規雄(安井規雄) 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿渡 淳二 熊本大学, その他の研究科, 講師 (30543409)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタボリック症候群 / 統合失調症 / 薬物療法 / GSTK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】ミトコンドリア内での高酸化ストレスとミトコンドリア機能障害は、統合失調症(SCZ)患者で、体重増加または代謝異常と関係している。グルタチオンS-transferase Kappa 1(GSTK1)には、ミトコンドリア内の外在性および内在性酸化ストレスから細胞を保護し、ジスルフィド結合を形成することによりadiponectin多量体化を触媒することが知られている。 【方法】本研究では、14人の統合失調症患者と20名の健常人から末梢血サンプリングを行い、末梢血単核細胞(PBMCs)中のGSTK1 mRNA濃度とGSTK1の主要多型(rs1917760)を調べた。さらに、329名の統合失調症患者と体重と年齢をマッチさせた305例の健常人における過体重やメタボリック症候群のリスク因子について検討した。 【結果】統合失調症患者においては、GSTK1 T/T 遺伝子型とGSTK1 mRNAの低濃度と相関していたが、健常人ではそのような傾向は認められなかった。GSTK1 T/T遺伝子型は、男性統合失調症患者の過体重とBMIに正相関した、女性統合失調症患者ではGSTK1 T/T遺伝子型はBMIと負の相関を示した。しかし、コントロール群ではこのような傾向は認められなかった。 【結論】これらの結果は、GSTK1 T/TがGSTK1 mRNA濃度を低下させ、その結果として男性統合失調症患者の過体重の新しいリスクになりえることを示した。
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