2014 Fiscal Year Annual Research Report
T型電位依存性カルシウムチャネル賦活化を標的としたアルツハイマー病創薬研究
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24590653
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森口 茂樹 東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70374949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 浩司 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90136721)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 記憶学習 / CaM kinase II / T-type VGCC |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は進行性神経変性疾患の動物モデルとして嗅球摘出(OBX)マウスを用い、OBXマウスにおける認知機能障害、特に海馬CA1領域におけるLTPの減弱とCaMキナーゼIIの活性低下の知見を電気理学的解析、生化学的解析により見出しており(Moriguchi et al., J. Neurochem. 2006)、OBXマウスにおける認知機能障害に対してST101の慢性処置により有意な改善効果を得られた。さらに、ST101による改善効果は、T-type VGCC阻害薬により有意に消失した。また、マイクロダイアリシス法を用いた研究により、OBXマウスの海馬において有意なAch量の減少が確認され、ST101はAch量を有意に改善した。このように、T-type VGCCの賦活化は、in vivoにおいても有意な認知機能改善効果を明らかにした。 申請者は、ST101より強力な薬効を有する化合物SAK3に関する研究に従事した。これまでの研究より、SAK3は、ST101と異なり、記憶形成に重要な海馬において、T-type VGCCを介したCaMキナーゼII賦活作用を有することが明らかとなった。また、ADの原因物質として考えられているβ-amyloidの凝集には、β-secretaseおよびγ-secretaseによるAPPの切断が問題視され、現在、β-amyloidの凝集阻害薬の開発が進められている。ST101には、カルシウムシグナル賦活化作用だけでなく、β-amyloidの凝集阻害効果も有することを明らかにした。本研究により、T-type VGCC賦活化によるカルシウムシグナルを介した新しいアルツハイマー病創薬の治療戦略を確立した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Melatonin reverses the decreases in hippocampal protein serine/threonine kinases observed in an animal model of autism.2014
Author(s)
Yun Tian, Yasushi Yabuki, Shigeki Moriguchi, Kohji Fukunaga, Pei-Jiang Mao, Ling-Juan Hong, Ying-Mei Lu, Rui Wang, Muhammad Masood Ahmed, Mei-Hua Liao, Ji-Yun Huang, Rui-Ting Zhang, Tian-Yi Zhou, Sen Long and Feng Han
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Journal Title
J. Pineal Res.
Volume: 56
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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