2014 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的マイクロRNA発現解析を用いたクルクミンの新たな抗腫瘍機序の解明
Project/Area Number |
24590655
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金井 雅史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70432416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 善基 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00397556)
金井 恵理 天理医療大学, その他部局等, 教授 (20372584)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | クルクミン / がん / QOL / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
ウコンに含まれるクルクミンはNF-kappa BやSTAT3の抑制作用を有し、抗がん作用を示すことが多くの基礎研究で証明されており、副作用の少ない抗がん薬としてがん治療への臨床応用が期待されている。バイオアベイラビリティーが低いことが臨床応用に際して一番の弱点であった。我々はバイオアベイラビリティーの向上した細粒化クルクミンのがん患者に対する安全性を調べるために「ゲムシタビンを用いた化学療法に抵抗性となった膵癌、胆道癌症例に対する細粒化クルクミン補助療法の第I相臨床試験」を計画・実施し(平成24年、25年度)、細粒化クルクミンが従来のクルクミンと比して有害事象の頻度を上昇させることなく血中クルクミン濃度を有意に上昇させること、さらに細粒化クルクミン服用によりEORTC-QLQ C30を用いて評価したQOL が有意に改善することを確認、その成果を国際学術誌に報告した (Kanai et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2013 Jun; 71(6): 1521-30)。この結果を受けて、細粒化クルクミンの治療効果を評価するため膵がん患者を対象とし、プラセボを対照としたランダム化第Ⅱ相多施設共同臨床試験を計画、医の倫理委員会の承認を得て、平成25年9月より開始した。先述したように、これまでに細粒化クルクミン服用によりEORTC-QLQ C30を用いて評価したQOL が有意に改善することや、末梢血を用いた網羅的miRNA発現解析にて前臨床研究で抗がん作用が報告されている複数のmiRNAが細粒化クルクミン服用後に上昇するという興味深い結果も観察している。今後さらに症例を積み重ねてその結果の検証を目指している。
|
Research Products
(3 results)