2013 Fiscal Year Research-status Report
組織リモデリングの増悪化分子としての内因性AGEの病態生理と根治的治療への展開
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24590672
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
森 秀治 就実大学, 薬学部, 教授 (50220009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味田 裕 就実大学, 薬学部, 教授 (00088709)
豊村 隆男 就実大学, 薬学部, 助教 (40425137)
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Keywords | 組織リモデリング |
Research Abstract |
これまでの研究から,終末糖化産物(AGEs)を親和性リガンドにしたアフィニティ担体を開発し,これを用いて肺臓組織抽出液の中から分子量約70kDaのAGEs結合因子を単離することに成功した。本因子は濃度依存性を持ってAGEs-AGEs受容体間の結合を抑制することが判明した。加えて,オーバーラップペプチドを用いた解析から,N末端部分に結合抑制を示す領域が複数個存在することが明らかとなり,その最小単位も見出すことができた。最小ペプチドの分子量は約1,000であり,今後,低分子型遮断薬の開発を目指す上での有用な創薬シーズとしての可能性が拓けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
70kDaのAGEs結合因子の発見が,AGEsの病態生理学的意義の究明や治療法開発を進めていく上での基軸となっている。即ち,AGEsとAGEs結合因子との相互作用をコアにした複合体(炎症性クラスター)の形成過程や病態制御に関する新知見を詳細に得るための道筋が開けた状態にあり,このような事から本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続いて,AGEs-AGEs結合因子間相互作用に基づく炎症病態の増悪化(もしくは制御)のメカニズムを明らかするための分子機能解析を行い,これらを創薬標的として位置づけた新規治療法創成のための検討を行っていく。特に,AGEs結合因子由来ペプチドによるAGEs-AGEs受容体間の結合遮断活性の組織リモデリング病態に対する個体・細胞レベルでの治療効果の検討を軸に有用性を究明していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究費については概ね計画的に使用されたが,比較的短い期間で新規活性因子(AGEs結合因子)を見出すことができ,当初予定されていたように種々の組織から様々な親和性担体を用いて繰り返し単離実験を行う必要性が無くなったため,最終的に研究費を次年度に残す形となった。 本年度の研究費残額を次年度分と合わせて,AGEs-RAGE間結合に基づく組織リモデリング病態の増悪化と制御,特にAGEs結合因子由来ペプチドによるAGEs-AGEs受容体間の結合遮断活性の個体・細胞レベルでの治療効果の検討を行うために,主として薬品類や抗体類,実験動物などに使用していく予定である。
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