2013 Fiscal Year Research-status Report
アシネトバクター属の菌種レベルにおける耐性機序解析および病原性解析
Project/Area Number |
24590675
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 史郎 東北大学, 大学病院, 助教 (40614491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 寿一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20374944)
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Keywords | Acinetobacter |
Research Abstract |
Acinetobacter属は病院内における代表的な日和見感染症の原因菌である事が知られている。また、薬剤耐性を獲得した場合し、感染症の原因菌となった場合には治療に難渋することが知られている。一方でAcinetobacter属はその生化学的性状が酷似していることから、一般的な検査室レベルの解析では詳細な菌種レベルでの同定は困難である。近年、Acinetobacter属の菌種の違いにより、生命予後が異なるなどの報告がなされるようになってきた。しかしながら、本邦におけるAcinetobacter属の詳細は不明な点が多く、正確な菌種レベルでのAcinetobacter属に関する解析は行なわれていなかった。 H25年度は遺伝子解析技術を用いて、Acinetobacter属の各菌種におけるそれぞれの薬剤感受性試験および耐性機序に関する解析を行なった。 結果としてはメロペネムに耐性を示すAcinetobacter属が16.7%認められた。菌種ごとに解析を行なった。臨床的に切り札的に使用されるメロペネムへの耐性率はAcinetobacter soliにおいて最も高い(46.2%)結果を得た。次いでAcinetobacter ursingii(12.5%)がメロペネムへ対し、高い耐性率を示していた。 これらの主な耐性機序は、解析の結果、メタロβラクタマーゼであるIMP-1による影響が大きいと考えられた。 本研究結果は、分離された菌種により、その耐性機序が異なる可能性を示しており、治療上または感染対策上においても重要な知見となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
菌株の収集が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
市中における菌株収集は継続して行なっている。今年度までに明らかにした大学病院の菌株の解析における相違点も比較解析可能である。 市中病院と大学病院における菌種レベルでの耐性率・耐性機序の相違を解明していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に効率的に研究を推進したことに伴い発生した未使用額である 26年度は25年度の未使用額を合わせて26年度の研究遂行に使用する予定である
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Research Products
(1 results)