2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋における甲状腺ホルモン活性化を介して抗肥満作用を有する生理活性物質の同定
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24590679
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森村 匡志 群馬大学, 医学部, 助教 (20436306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 修 群馬大学, 医学部, 助教 (80589482)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 分化 / G蛋白共役型受容体 / 脱ヨード酵素 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
骨格筋における2型甲状腺ホルモン脱ヨード酵素(D2)による甲状腺ホルモンの活性化は、骨格筋のエネルギー消費を高め、抗肥満作用を発揮する。本研究は、マウスおよびヒト骨格筋におけるD2発現を亢進させる新規G蛋白共役受容体(GPCR)とそのアゴニストの同定を目指し、細胞内甲状腺ホルモン活性化を介した抗肥満ならびに抗糖尿病作用の新たな分子標的を同定することによって、肥満や糖尿病に対する新たな診断法と治療法の開発へと展開するための研究基盤を確立することを目的とする。 第一にマウス骨格筋 筋管細胞において発現するGPCRのPCR ArrayによるプロファイリングとD2発現増強に関与するGPCRの同定を試みた。 マウス骨格筋の初代培養系を確立し、マウス新生仔より単離した骨格筋芽細胞を成熟筋管細胞へ分化させることでD2発現が著明に増加することを見いだし、分化した筋管細胞において、細胞内cAMPの増加を介してD2の発現が非常に強く増強されることを確認した。RNAを抽出・精製し、定量RT-PCR法にて実験系の再現性が確立できた上で、TaqMan Mouse GPCR Arrayにより、370種類のGPCRの発現を比較した。骨格筋芽細胞と筋管細胞における発現比較では、分化に伴って発現が誘導される受容体と発現量が減少する受容体を同定することに成功し、個々の受容体の発現量の変化に関して、定量RT-PCR法による再現性の確認を進めている。また、骨格筋芽細胞ならびに筋管細胞を各々cAMP刺激を行い、発現量が変化する受容体も同定され、これらについても解析を進めている。 今後は引き続き当研究室に於いて、マウス骨格筋の分化段階における時期特異的・組織特異的なGPCRの発現、ヒト骨格筋における発現の検討、同定した受容体に対するリガンドの検索を順次行っていく予定である。
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