2012 Fiscal Year Research-status Report
プロテオミクスによる病原微生物迅速同定法の構築・臨床応用
Project/Area Number |
24590680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
曽川 一幸 麻布大学, その他部局等, 講師 (50436440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164739)
佐藤 守 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (20401002)
佐藤 謙一 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (90505687)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 病原微生物同定 |
Research Abstract |
細菌感染症の原因菌を確実かつ迅速に同定することは早期に有効な治療を開始するために必須である。従来、コロニーからの細菌同定には形態学的・生化学的手法が用いられてきたが、長時間を要し(平均24時間)、操作が煩雑で熟練を要するなどの難点があった。近年、プロテオーム解析技術の進歩が目覚ましい。最近、質量分析法による細菌のプロテオーム解析が細菌の種レベルの同定に有用であることを確認した。本法は1菌種約6分ときわめて短時間に正確な同定結果が得られる。本法により同定検査だけでなく、薬剤感受性試験、血液培養陽性ボトルの迅速同定検査、尿路感染症では培養なしに直接尿検体からの同定検査への応用を目的としている。 24年度は血液培養陽性ボトルから直接細菌のタンパク質抽出法の安定性、再現性を確認した。その後臨床検体100検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認し、良好な成績が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細菌感染症の原因菌を確実かつ迅速に同定することは早期に有効な治療を開始するために必須である。従来、コロニーからの細菌同定には形態学的・生化学的手法が用いられてきたが、長時間を要し(平均24時間)、操作が煩雑で熟練を要するなどの難点があった。近年、プロテオーム解析技術の進歩が目覚ましい。最近、質量分析法による細菌のプロテオーム解析が細菌の種レベルの同定に有用であることを確認した。本法は1菌種約6分ときわめて短時間に正確な同定結果が得られる。本法により同定検査だけでなく、薬剤感受性試験、血液培養陽性ボトルの迅速同定検査、尿路感染症では培養なしに直接尿検体からの同定検査への応用を目的としている。 24年度は血液培養陽性ボトルから直接細菌のタンパク質抽出法の安定性、再現性を確認した。その後臨床検体100検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認し、良好な成績が得られているため、計画が順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の達成度はおおむね順調であった。次年度は尿路感染症を起こしている尿検体から直接細菌のタンパク質抽出法の安定性、再現性を確認する。その後臨床検体100検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認する。平成26年度には、S. aureusのメチシリン感受性株(MSSA)とメチシリン耐性株(MRSA)を同定するデータベースを各50株使用して構築する。その後臨床分離株100株使用して検証する。質量分析計による薬剤感受性試験、血液培養陽性ボトルの迅速同定検査、尿路感染症では培養なしに直接尿検体からの同定検査を当院細菌検査室においてルーチン検査として取り入れるように目指している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用金額として1,710,000円を繰り越している。これは所属が千葉大学から麻布大学になり、研究計画の一部が遅れたからである。次年度以降は当初の計画に沿って使用していく。
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Research Products
(12 results)