2014 Fiscal Year Annual Research Report
コレステリルエステル転送蛋白欠損におけるリン脂質代謝異常と抗糖尿病性
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24590683
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲津 明広 金沢大学, 保健学系, 教授 (80293348)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Sphingomyelin / 高HDL血症 / CETP欠損 / HDL2 / LDL2 / ApoE / ApoC-I / 冠動脈疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
CETP欠損症はHDLの中に含まれるエステル型コレステロール (CE) をVLDLやLDLなどに転送するCETP (コレステロールエステル転送蛋白) が欠損するため, HDLの中にCEが蓄積する. CETP欠損症ではHDL2 のスフィンゴミエリン (SM) が対照と比較して有意に低値であること, HDLのApoEが増加することが報告されている. 一方, 冠動脈疾患患者は対照と比較して血清SMが有意に高値であり, 一方, 冠動脈疾患のない患者はHDL-SMが高い傾向にあることが報告されている. 本研究では,SM,ApoE,そして脂質転送活性の内因性インヒビターであるApoC-ⅠをCETP欠損症で検討した. 超遠心分離法と簡便なPEG沈殿法でリポ蛋白を検討した. CETP欠損患者4人, 対照7人を対象とした. SM測定は, スフィンゴミエリナーゼ, アルカリフォスファターゼ, コリンオキシダーゼを用いた酵素法で行った. 超遠心分離法は、VLDL:0.96~1.006, IDL:1.006~1.019, LDL1:1.019~1.045, LDL2:1.045~1.063, HDL2:1.063~1.125, HDL3:1.125~1.210の比重で分離した. 超遠心分離法でのnonHDL-SMと, PEG沈殿法沈殿SMの測定値は, 2検体を除きほぼ一致した. 2つの測定法で測定値の乖離が見られた2検体は,CETP-D (ヘテロ) の重症型と,CETP-D (ホモ) であり,超遠心分離法では大粒子HDLがLDL分画で測られている可能性が示唆された. 既報の結果とは異なり, CETP欠損は対照と比較してHDL2-SMが有意に高値であり, LDL2-SMが高い傾向にあった. CETPとLDL2-SM,HDL2-SMは負の相関関係であり, HDL-SMとPEG沈殿の上清中ApoEは正の相関関係であった.
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Research Products
(5 results)