2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規メタボリック症候群ラットモデルにおけるグルココルチコイド受容体の役割の検討
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24590690
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永田 浩三 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20378227)
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Keywords | メタボリックシンドローム / ストレス / グルココルチコイド受容体 / βアドレナリン受容体 / 心筋傷害 / 脂肪組織炎症 / 糖代謝異常 |
Research Abstract |
平成24年度の研究課題において、申請者らが確立した新規メタボリックシンドローム(MetS)ラットモデルであるDahlS.Z-Leprfa/Leprfa(DS/obese)ラットを用いて、MetSにおけるグルココルチコイド-グルココルチコイド受容体(GR)系の病態生理学的意義を明らかにした。 最終年度である平成25年度は、同モデルへの異なる2種類の慢性ストレス(寒冷、拘束)に対する心血管系及び脂肪組織の応答におけるGRと交感神経βアドレナリン受容体(βAR)の役割を検討した。その結果、DS/obeseラットに対する慢性寒冷ストレスとGR遮断薬であるRU486は肥満、体脂肪量や摂食量に影響しなかった。寒冷ストレスにより高血圧、左室肥大・線維化・拡張障害、および心筋酸化ストレスと炎症はいずれも増悪したが、これらの効果はいずれもRU486により有意に改善した。また、寒冷ストレスにより内臓脂肪の炎症および耐糖能とインスリン抵抗性はいずれも増悪したが、これらの変化もRU486により有意に改善した。 一方、慢性拘束ストレスとβAR遮断薬であるプロプラノロールは体脂肪量や摂食量には有意な影響を及ぼさなかった。拘束ストレスにより肥満(体重増加)は抑制されたが、高血圧、左室肥大・線維化・拡張障害、および心筋酸化ストレスと炎症はいずれも増悪した。これらの効果はいずれもプロプラノロールにより有意に改善した。また、拘束ストレスにより内臓脂肪の炎症および耐糖能とインスリン抵抗性はいずれも増悪したが、これらの変化もプロプラノロールにより有意に改善した。 平成25年度の結果により、2種類の慢性ストレスのMetS病態に及ぼす影響の相違が明らかとなり、寒冷ストレスにおけるGRの役割および拘束ストレスにおけるβARの役割が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)