2014 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の心血管自律神経障害のグレリンとレプチンの関与の解明と治療への展望
Project/Area Number |
24590691
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 友彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00437039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 宏久 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任教授 (10378177)
平山 正昭 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30283435)
祖父江 元 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20148315)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 起立性低血圧 / 食事性低血圧 / グレリン / レプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病PD58名、コントロール18名でレプチン、グレリンの自律神経障害の関与を検討した。レプチンはもともと女性が高値のため男女に分け解析した。3SDを超える高度肥満男3人、女1人は除外し、PD55名で解析した。レプチン基礎値はPD群男性1.8±1.0ng/ml、女性2.8±4.0ng/ml、コントロール群男性2.2±1.2ng/ml、女性5.1±5.2ng/mlで差はなかった。ヘッドアップティルト前後でレプチン濃度に有意な変化はなかったが、PD群で血圧変化とレプチン基礎値に有意に相関があった(男性;r = 0.5, p = 0.009、女性;r = 0.39, p = 0.03)。コントロール群では相関はなかった。ブドウ糖負荷ではレプチン濃度の有意な変化は両群ともなく、その血圧変化との関連もなかった。レプチンは交感神経活動亢進作用があるとされ、PDにおいて低レプチンによる交感神経活動低下が起立性低血圧と関与している可能性がある。 活性型グレリン基礎値はPD群85±50pg/ml、コントロール群71±55pg/mlで差はく、ティルト試験でグレリン濃度はコントロール群-2%で変化はなかったが、PD群で15%の有意な上昇があった(p=0.04)。しかしティルト試験での血圧低下とグレリン基礎値やその変化率には関連はなかった。ブドウ糖負荷ではグレリン濃度はPD群-25%で有意な変化であった(p=0.007)。コントロールは変化なかった。ブドウ糖負荷におけるグレリン変化率はその血圧変化と有意に相関があり(r = 0.41, p = 0.03)、血圧低下とグレリン高値の関連性が示唆された。グレリンは食欲増進ホルモンで、交感神経抑制作用、血管拡張作用があるとされ、ブドウ負荷でその分泌が低下すると考えられるが、食事性低血圧例では低下が乏しく、血管拡張作用が働いている可能性がある。
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