2012 Fiscal Year Research-status Report
超高速高感度同時検出生物化学発光測定法の開発とマルチラベルイムノアッセイへの応用
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24590707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 克敏 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20223141)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生物発光 / 化学発光 / 超高速高感度 / イクオリン / ガウシアルシフェラーゼ / アクリニジウムエステル / マルチラベルイムノアッセイ / 3成分同時測定 |
Research Abstract |
ガウシアルシフェラーゼ(GL)の生物発光法および古くから知られるアクリジニウムエステル(AE)の化学発光法をイクオリン(Aq)の生物発光に組み合わせることにより、高感度かつ迅速な3成分測定法を検討した。 方法は96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに酵素希釈用緩衝液で希釈したAq、GL及びAE標識IgGを各々5μLずつ分注した。発光測定装置Centro LB960のインジェクターを使用して、最初に50 mmol/Lカルシウム溶液50μLを加え、Aqの1秒間の発光強度を測定した。次に2.5 mmol/L EDTA、0.01% Tween20を含む25 mmol/L HEPES緩衝液 (pH 7.0)に溶解した1μg/mLセレンテラジン基質溶液50μLを加え、GLの1秒間の発光強度を測定した。最後に0.5%過酸化水素を含む0.1 mol/L硝酸溶液を50μL加えGLの発光を停止させた後、7 mmol/L塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含む2 mol/L水酸化ナトリウム溶液を50μL加え、AEの1秒間の発光強度を測定した。 本法では互いの発光は干渉せず、Aq、GL、AEの同時発光測定が可能となった。本同時測定系におけるAq、GL、AEの検量域はそれぞれ2.4×10-19 ~ 1.9×10-15、2.8×10-18 ~ 4.5×10-15、1.6×10-17 ~ 5.1×10-15 mol/assay、またそれぞれの最小検出感度は6.4×10-20、9.7×10-19、6.5×10-19 mol/assay(blank+3SD)であり、同時再現性は1.5~8.3%、2.1~3.8%、2.6~3.6%(CV %,n=8)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単独測定におけるイクオリン、ガウシアルシフェラーゼの生物発光測定法及びアクリニジウムエステルの化学発光測定法の最適化が完了し、引き続き3成分同時測定の最適化を行った。その結果、3成分同時測定でもそれぞれの単独測定と同等な感度が得られた。 また、今回開発した3成分同時測定の測定時間は3秒程度であり、以前報告した方法が6分程度必要としていたので、比較すると迅速性は格段に向上した。以上より本研究の目的は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
確立された同時測定法をイムノアッセイに組み合わせ、試料中の微量成分の多項目同時アッセイを確立する。現在考案している多成分同時検出アッセイのうち、α-フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原(PSA)3種の腫瘍マーカーの検出を行う。本法では3種の特異抗体を固相上に不溶化したマイクロタイタープレートを用い、各ウェルにAFP、CEA、PSA各々の標品およびイクオリン標識抗AFP抗体、ガウシアルシフェラーゼ標識抗PSA抗体およびアクリジニウムエステル標識抗CEA抗体を加え免疫反応を行う。洗浄後、固相上のそれぞれの標識体は、開発した同時検出法で高速かつ高感度に測定されると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本法で使用する標識化抗体は申請者が調製するものを使用する。その調製のための特異抗体およびアクリニジウムエステル等の標識体の購入に研究費を使用する。またガウシアルシフェラーゼの発光基質であるセレンテラジンの購入費用に充てる予定である。 さらに研究費は、その他標識化抗体の分離精製用担体や測定時に必要なマイクロタイタープレート等のプラスティックウェアおよび緩衝液等に調製に必要な一般化学薬品等の購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)