2013 Fiscal Year Research-status Report
超高速高感度同時検出生物化学発光測定法の開発とマルチラベルイムノアッセイへの応用
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24590707
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 克敏 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20223141)
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Keywords | 生物発光 / 化学発光 / 超高速高感度 / イクオリン / ガウシアルシフェラーゼ / アクリニジウムエステル / マルチラベルイムノアッセイ / 多成分同時測定 |
Research Abstract |
本申請では発光機構の異なるイクオリン(Aq)、ガウシアルシフェラーゼ(GL)、アクリジニウムエステル(AE)を利用した新たな三成分同時化学発光生物発光測定法の開発と同時検出イムノアッセイへの応用を検討している。 昨年度までに三成分同時化学発光生物発光測定法の条件検討が終了しAq、GL、AEそれぞれの検出限界は10-17から10-20 mol/assayレベルであり、測定時間は3秒と超高速高感度測定が可能となった。 本年度はα-フェトプロテイン(AFP)、前立腺特異抗原(PSA)、がん胎児性抗原(CEA)の三種の腫瘍マーカーの同時測定を検討した。それぞれの腫瘍マーカーに対する抗体を固相化したプレートに標準溶液60μLおよびAFP、PSA、CEAに対するそれぞれの抗体にAq、GL、AE標識した3種の標識抗体溶液50μL加え、4℃で一晩放置した。洗浄によりB/F分離した後、上記の同時検出法で固相上のそれぞれの発光強度を測定した。AFP、PSA、CEAそれぞれの検量域は4.1~263 ng/mL、8.8~565 ng/mL、2.8~4620 ng/mLとなった。いずれの腫瘍マーカーもカットオフ値を範囲に含む検量線となり、臨床でも充分に応用できるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は確立した同時検出生物発光化学発光法をマルチラベルイムノアッセイに応用を行った。AFP、PSA、CEAの3種の腫瘍マーカーの検出に応用したところ、臨床でも充分に測定することが出来る検量域を有し、かつ迅速性も兼ね備えているイムノアッセイであることが確認された。 以上のことより本申請の目的は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年までに確立した方法をさらに発展させ、Aq、GL、AEの標識抗体を抗FITC抗体、抗ジゴキシゲニン抗体、抗ビオチン抗体とし新たに検出用標識抗体を調製する。 新規検出用標識抗体は、FITC標識抗体、ジゴキシゲニン標識抗体、ビオチン標識抗体の検出に使用できるため、ユニバーサルな系の測定に応用できる。 本法は50μL程度の試料から3成分を同時に検出できるため、創薬の前臨床試験で使用されるマウス等の小動物の血液試料のような少量しか得られないサンプルの測定に適当であると考えられる。今年度以降は測定対象をマウスのサイトカイン等をターゲットとして検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一昨年度基礎的検討に時間を要したため予算の執行を繰り越しした。その影響もあり今年度の予算が少し多くなってしまったため、次年度使用額が生じてしまった。 本法で使用する標識化抗体は申請者が調製するものを使用する。その調製のための特異抗体およびアクリニジウムエステル等の標識体の購入に使用する。またガウシアルシフェラーゼの発光基質であるセレンテラジンの購入費用に充てる予定である。 研究費は、その他標識化抗体の分離精製用担体や測定時に必要なマイクロタイタープレート等のプラスティックウェアおよび緩衝液等に調製に必要な一般化学薬品等の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)