2013 Fiscal Year Research-status Report
HDL亜分画コレステロールのホモジニアス法の開発と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
24590717
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
杉内 博幸 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70435163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松嶋 和美 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (00369125)
安東 由喜雄 熊本大学, その他の研究科, 教授 (20253742)
安楽 健作 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80389543)
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Keywords | コレステロール / HDL亜分画 / ホモジニアス法 / HDL2 / HDL3 |
Research Abstract |
HDLは、比重や粒子サイズ,アポ蛋白の組成などの違いから、 HDL2とHDL3の主要亜分画に分類される。HDL2は抗動脈硬化作用を有するが、HDL3の増加(HDL2/HDL3の低下)は動脈硬化を促進させる。本研究では、HDL2およびHDL3のコレステロール(HDL2-C, HDL3-C)を簡便に自動分析装置で分別測定できるホモジニアス法を開発し、その臨床応用を目指す。 平成25年度の計画は、界面活性剤のリポ蛋白選択性の検討である。そのための手順を以下に示す。①健常人血清から超遠心を用いてリポ蛋白画分(HDL2、HDL3、LDL、VLDL)を分離する。②各種界面活性剤を加えたコレステロール測定試薬を調製する、③分離した各リポ蛋白画分を試料として測定する。 超遠心のリポ蛋白画分の脂質組成は、VLDL(TC 33.6 g/dl、TG 144.3 g/dl、apoB 14.4 g/dl)、LDL(TC 298.0 g/dl、TG 41.2 g/dl、apoB 167.7 g/dl)、HDL2(TC 54.6g/dl、TG 9.5 g/dl、apoB 1.3 g/dl)、HDL3(TC 31.7 g/dl、TG 5.2g/dl、apoB 0 g/dl)となった。界面活性剤を加えたコレステロール測定試薬でこれらのリポ蛋白画分を測定したところ、アニオン系界面活性剤の数種類で反応性にHDL選択性が認められ、さらに、HDL2とHDL3との反応性に違いが認められた。26年度はこれらの界面活性剤を中心に検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年同様、超遠心によるHDL2(比重1.063~1.125)とHDL3(比重1.125~1.21)の分離は、塩濃度の調整やスライスなど難しいため時間を要する。また、約400種類の界面活性剤の反応性からHDL選択性、さらにHDL2、HDL3選択性のある界面活性剤を検索しているが、試薬に用いる酵素が酵素精製メーカーによって反応性が異なるので、各種酵素と界面活性剤との組み合わせとデータ解析に苦労している。
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Strategy for Future Research Activity |
アニオン系界面活性剤の数種類で反応性にHDL選択性が認められ、さらに、HDL2とHDL3との反応性に違いが認められた。26年度はこれらの界面活性剤を中心に検討を進める。ホモジニアス法の測定系には、第1段階でHDL以外のリポ蛋白を界面活性剤とカタラーゼを用いて消去し、第2段階で残存するHDLを測定する消去法と第1段階でHDL選択性のある界面活性剤を用いて可溶化して測定する選択的可溶化法がある。どちらの測定系が可能かを検討し、測定試薬を調製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スフィンゴミエリンやホスホリパーゼなどの酵素や試薬を購入予定であったが、別の研究費で購入した酵素の残りを使用したため次年度に持ち越しとなった。 次年度研究費(B-A):70,4201円、25年度請求額:500,000円 使用計画:①試薬代:900,000円、旅費:100,000円、その他:20,4201円
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