2014 Fiscal Year Annual Research Report
生物発光を利用した高感度抗体検出システムの開発と視神経脊髄炎関連自己抗体の解析
Project/Area Number |
24590720
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Research Institution | Nagasaki Kawatana Medical Center |
Principal Investigator |
樋口 理 独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (50361720)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 抗体検査 / ルシフェラーゼ / 膜蛋白質 / 免疫沈降 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,抗AQP4抗体検査に関する新しい技術としてルシフェラーゼ免疫沈降法(LIPS)を導入し,その有用性を確認した.しかし,AQP4のように複数膜貫通型の膜蛋白質を標的とする自己抗体を検出する場合,その膜上での立体構造を損なわないような工夫が必要であり,その点に関しては従来通りのLIPSの操作手順では問題が存在していた.そこで,最終年度においては,生細胞の膜上にAQP4が発現した状態にてヒト血清と反応させ,その後に細胞を可溶化し,抗体と抗原からなる免疫複合体をLIPS法で検出するというcell-based LIPS法へと改良した.これにより,従来のLIPSでは検出できなかったヒト血清中の抗AQP4抗体が検出可能となり,さらには,抗AQP4抗体検出法として現在最も信頼度が高いcell-based assay using immunostaining法と同等かそれを上回る検出感度が得られた.以上の結果をとりまとめた学術論文発表や学会発表を2015年に予定している. 本研究のもう一つの狙いはLIPSでの多検体高速処理のシステム構築であるが,こちらに関しては,最大の難関がLIPSにおける磁性protein G-sepharoseの回収及び洗浄ステップであることが判明したが,最終的にはprotein Gをコーティングしている磁性ビーズの最適化を行うことでクリアすることができた. 以上により,本研究は当初の目的を全て達成するだけにとどまらず,AQP4以外の様々な複数貫通型膜分子を標的とする抗体を高感度に検出する画期的な抗体検査システムの構築を可能にした.
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Research Products
(1 results)