2013 Fiscal Year Research-status Report
神経障害痛に対する間欠的高周波照射の作用メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
24590728
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
田中 信彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (30264394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与那覇 哲 宮崎大学, 医学部, 助教 (70468023)
越田 智広 宮崎大学, 医学部, 助教 (20441842)
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Keywords | 間欠的高周波照射 |
Research Abstract |
神経障害痛モデルラットを用いて, 間欠的高周波(PRF)の後根神経節(DRG)ニューロンでの蛋白発現への影響をin vitro(実験1)とin vivo(実験2)で調べた. 【方法】(実験1) ラットDRGニューロンを, レシニフェラトキシン(RTX)の終濃度が0nM,10nM,100nM,1μMになるように調整し培養した. 48時間後にRTXを含まない培地に交換し, 培地内でPRFを360秒間照射するPRF照射群と照射しないsham群の2群に分けた. 1週間後, 免疫化学的にsubstance P(SP),CGRP,BDNFの発現量を測定した. (実験2) RTXをラットの腹腔内投与し, 1週間後に右後肢坐骨神経近傍にPRFを360秒間照射するPRF群と照射しないsham群の2群に分けた. RTX投与7週間後, L4およびL5のDRGを摘出し, Western blotting法を用いてCGRP,BDNFの発現量を測定した. 【結果】実験1では, RTX0nMに比べて10nM,100nM,1μMでSP,CGRP,BDNFの発現量が減少した. PRF照射群で各蛋白の発現量は増加した. 実験2では, RTX腹腔内投与によりCGRP, BDNFの発現量が減少した. PRF群でCGRP,BDNFの発現量は増加した. 【結論】RTX投与によりDRGニューロンの神経伝達物質, 神経栄養因子の発現量は減少した. PRF照射によりこれらの蛋白は増加した. 神経障害痛に対するPRF照射の作用メカニズムの1つとして, DRGニューロンの蛋白発現への影響が示唆された. これは新しい知見であり, 2014年11月に開催される13th Annual Pain Medicine Meeting (San Francisco, California) での発表を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Western blotting法によるサブスタンスP, CGRPおよびBDNFの蛋白発現量の測定は安定化し, データの蓄積が可能となった. しかし定量的PCR法によるmRNA発現量の測定がまだ安定化しておらず時間を要している. 以上の理由により現在までの達成度がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 定量的PCR法によるmRNA発現量の測定を安定化させ, データを蓄積する. (2) 定量的PCR法によるmRNA発現量の変化およびWestern blotting法による蛋白発現量の変化についてのデータを統計処理し, 学会発表および論文作成を進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
定量的PCR法によるmRNA発現量の測定が十分に行えず, 予定よりも物品費(試薬)の支出額が少なかったためと思われる. 定量的PCR法によるmRNA発現量およびWestern blotting法による蛋白発現量の測定のための試薬を物品費として使用する. また平成26年度は, これまでの結果を国際学会で発表し, 論文を作成する予定であるので, 旅費と論文作成費として使用する.
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