2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子改変マウスを用いた疼痛神経回路網の蛍光可視化システムの開発
Project/Area Number |
24590736
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西田 和彦 関西医科大学, 医学部, 助教 (80448026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 伸治 関西医科大学, 医学部, 講師 (70276393)
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カルシウムイメージング / 脊髄後角 / 体性感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においてはこれまで確立してきたマウスin vivoカルシウムイメージングの系を用いて、皮膚の異なる点のピンチ刺激に応答する脊髄後角ニューロンの神経活動を網羅的に解析した。まずマウスのわき腹付近の皮膚において、吻尾軸方向に1cm離れた2点の体性感覚は2体節分離れた一次求心性ニューロンによってそれぞれ受容され、これらのニューロンの中枢投射は約2mmの距離を隔てて重ならないことを逆行性神経トレーサーによるラベリングにより確かめた。次に、これら異なる点のピンチ刺激に応答する第一腰部脊髄ニューロンの神経活動を解析した結果、2体節分離れた一次求心性ニューロンを介した体性感覚刺激によっても脊髄後角ニューロンの神経活動は顕著に認められた。これらの結果より、脊髄後角に入力した体性感覚情報は吻尾軸方向に広く伝播し、その伝達には介在ニューロンが関与している可能性が示唆された。 次に当研究室で樹立したカルシウムインディケータータンパク質を誘導発現するレポーターマウスを用いた解析についても進めた。脊髄後角浅層のドライバーマウスLbx1-Cre、脊髄後角抑制性介在ニューロンのドライバーマウスPax2-Creとこのレポーターマウスを交配させて得られたマウスを用いて、それぞれのニューロン特異的なカルシウムイメージングの系の樹立を現在進めている。 本研究により、体性感覚刺激に応答する脊髄後角ニューロンの神経活動の網羅的解析、およびその三次元分布の解析が確立された。脊髄後角ニューロンの神経活動の三次元分布の解析は、特定の体性感覚刺激に応答するニューロンがどのようなパターンで分布しているかの解析を可能にし、脊髄後角神経回路による体性感覚情報処理のメカニズムの理解に今後大きく貢献すると期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 成熟した疼痛研究の新しい展開2014
Author(s)
伊藤誠二、片野泰代、松村伸治、西田和彦
Organizer
日本ペインクリニック学会第48回大会
Place of Presentation
新宿京王プラザホテル
Year and Date
2014-07-25 – 2014-07-25
Invited
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[Book] 分子脳科学2015
Author(s)
西田和彦、伊藤誠二 他 (三品昌美編)
Total Pages
312(89-98)
Publisher
化学同人
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