2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590748
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 昌之 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50274171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 直子 山口大学, 医学部附属病院, 副臨床検査技師長 (40420541)
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Keywords | 小児 / 遺伝子多型 / 糖代謝 / 食習慣 |
Research Abstract |
食生活習慣が、小児の糖代謝関連遺伝子多型と空腹時血糖および血清インスリン濃度との関連を修飾しているかどうかを調べる目的で研究を行った。GCK、G6PC2/ABCB11、MTNR1Bの遺伝子多型を調べた。前年度の結果では、リスクアレルを合わせた数の空腹時血糖や血清インスリン濃度に及ぼす影響は、食物繊維の摂取量と食事のグリセミックインデックスによって差がありそうだったが、交互作用ははっきりしなかった。そこで、本年度は解析数を増やして統計解析を中心に行った。食物繊維摂取量を中央値に2分して、食物繊維摂取量とGCKやG6PC2/ABCB11の遺伝子型(優性)との交互作用は層化の条件で一定でなく、偶然誤差の可能性があった。しかし、その中でMTNR1Bだけは、食物繊維の低摂取量群で、遺伝子多型の影響がはっきりしていた。遺伝子型はインスリン濃度やインスリン感受性との関連が有意であった。高摂取量群ではMTNR1Bの遺伝子型とインスリン濃度や感受性との関連ははっきりしなかった。このことは、MTNR1B遺伝子多型による糖代謝異常があったとしても、食物繊維を十分に摂取することで、遺伝子型による代謝の障害を予防することが可能かもしれないことを示唆する。日本人の食物摂取量は摂取基準を満たしていると考えられているが、摂取量・基準とも欧米のそれらよりも低く、さらに基準として目標を高い値にすること検討し、食物繊維摂取量をさらに増やすほうがよいかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ解析を中心に行い、生体試料の分析が十分できなかった。データ解析の結果は得られており、今後試料分析を追加することで解析を増やすことができる。投稿論文を準備していく。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度としてすべての分析した資料を用いて、データの解析を行う。他の遺伝子多型(GCKR)の遺伝子解析をを行っており、平成25年度までのデータ・結果に追加してデータの解析を行う。データの解析では次年度にも追加して行う血清試料の分析データも用いる。他の生活習慣(身体活動)も考慮した多変量統計解析を行い、結果を学会や学術雑誌に公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
保存血清を有効に使うためにデータの解析を中心に行い、保存血清の分析の一部を来年度に行うこととしたため、分析に用いる試薬等の購入費ついて未使用額が生じた。 次年度アディポサイトカインを含めた糖代謝マーカーの測定を目的とした血清試料の分析をさらに進めることとし、これまでに生じた未使用額については、次年度の研究費と合わせて分析に用いる試薬等の購入、分析の外部機関への依頼に充てる。
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Research Products
(2 results)