2012 Fiscal Year Research-status Report
基本検査項目と胎児・乳幼児期情報による生活習慣病の若年期からのスクリーニング戦略
Project/Area Number |
24590749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上村 浩一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50346590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜野 桜子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00612574)
有澤 孝吉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30203384)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 肝逸脱酵素 / メタボリック症候群 / 糖尿病 / 脈波伝播速度 |
Research Abstract |
大学生を主な対象とする若年者集団、分子疫学コーホート調査である日本多施設共同コーホート研究・徳島地区の協力者(35~69歳の徳島県一般住民)および徳島大学病院の産婦人科・更年期外来受診者(主に閉経後女性)を対象とする中高年者集団の2つの集団で検討する計画のうち、中高年者集団については、昨年度で目標数に近い対象者を登録をすることができた。35~69歳の徳島県一般住民については、平成25年4月までに約2,400人の協力者を登録し、協力者のほぼ全員から体格指標(身長、体重、腹囲、殿囲、血圧等)や血液試料、および生活習慣のデータを自記式質問票から得ることができた。そのうち、約1,000人に対しては、体脂肪率、動脈硬化初期における血管壁の弾力性の指標となる脈派伝播速度(PWV:pulse wave velocity)や血管の狭窄・閉塞の指標となる足関節上腕血圧比(ABI:ankle brachial index)、および血中肝逸脱酵素値や血中脂質値等を測定できた。残りの約1,400人についても、血中肝逸脱酵素・脂質値、空腹時血糖値やHbA1c値等に加えて、インスリン抵抗性の評価に必要な血中インスリン値を測定できた。産婦人科外来受診者についても、血中の肝逸脱酵素や脂質、血糖、アルブミン、カルシウム濃度等に加えて、骨代謝マーカーや腰椎骨密度値についてのデータについて、目標数(200例)を収集できた。中高年者集団のリクルートがほぼ目標数に達したので、本年度より、大学生を対象とした若年者集団のリクルートを行う。現在、徳島県一般住民のデータを用いて、健診の基本検査項目(血清肝機能やアルブミン、ビリルビン値など)と糖尿病・メタボリック症候群の有病状況や潜在性動脈硬化の指標(PWV値やABI値など)との関連を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度および今年度は、対象者のリクルートの遂行が最も重要な研究課題となるが、大学生を対象とする若年者集団、および徳島県一般住民や徳島大学病院の産婦人科・更年期外来受診者(主に閉経後女性)を対象とする中高年者集団のうち、中高年者集団については、徳島県一般住民で約2,400人の協力者をリクルートし、ほぼ全員から研究遂行に必要な体格・肥満指標や血液生化学検査値や血液試料(冷凍保存)、生活習慣データを得ることができ、そのうち約1,000人に対しては、測定時間を要する血管の脈派伝播速度等(PWV値やABI値)も測定できた。残りの約1,400人についても、血液生化学検査値に加えて、インスリン抵抗性を評価するために必要な血中インスリン値も測定できた。また、産婦人科外来受診者についても、血中の肝機能などの基本検査項目に加えて、骨代謝マーカーや腰椎骨密度値について、目標数(200例)を収集できた。昨年度で中高年者集団のリクルートがほぼ目標数に達したので、おおむね研究は順調にすすんでいる。本年度より、大学生を主な対象とした若年者集団のリクルートおよびデータ収集を行うとともに、中高年者集団のデータ入力、および、健診の基本検査項目(血清肝機能やアルブミン、ビリルビン値など)と肥満指標(BMI、腹囲、体脂肪率)や糖尿病・メタボリック症候群の有病状況、動脈硬化指標(PWV値等)、インスリン抵抗性(血中インスリン値、HOMA指数)との関連を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度で中高年者集団のリクルートがほぼ目標数に達したので、本年度より、主に大学生を対象とした若年者集団のリクルートを行い、大学での健診データや母子手帳から出生時の情報(出生週数や出生時体重、妊娠時の母体の合併症の有無)や出生後の情報(3か月・6カ月・1歳半・3歳児検診などにおける体重、身長、頭囲などのデータ)について、男女それぞれ250名以上を目標に入手する。また、今までに得られた体格指標やPWV・ABI値、血液検査値や生活習慣データの入力も時間を要するので、若年者集団のリクルートと並行して進めていく。さらに、今までに得られた徳島県一般住民のデータについて、健診の基本検査項目(血清肝機能や血清アルブミン、ビリルビン値など)と肥満指標(BMI、腹囲、体脂肪率)や糖尿病・メタボリック症候群の有病状況、動脈硬化指標(PWV・ABI値等)、インスリン抵抗性(血中インスリン値、HOMA指数)などとの関連を順次解析して、積極的に学会発表や海外雑誌への論文投稿につなげていく方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度より、主に大学生を対象とした若年者集団のリクルートやデータ収集を行うので、そのための質問票等の印刷費や、体格指標や血液検査値、生活習慣データを入力・保管するための専用のデスクトップパソコンの購入や膨大なデータを入力管理するための専用のソフトの購入が必要となる。また、現在までに得られた徳島県一般住民のデータについて、健診の基本検査項目と肥満指標、糖尿病・メタボリック症候群の有病状況、動脈硬化指標やインスリン抵抗性などとの関連を詳細に解析するための高度な統計解析ソフトも必要となる。さらに、冷凍保管している血液試料で追加項目を測定する場合の測定費用などにも使用する計画である。さらに、研究で得られた成果を国内や国内の学会で発表する際の旅費や、海外雑誌に論文投稿する場合の英文校正料や論文投稿料、別冊請求費用にも使用する計画である。
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