2014 Fiscal Year Annual Research Report
基本検査項目と胎児・乳幼児期情報による生活習慣病の若年期からのスクリーニング戦略
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24590749
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上村 浩一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50346590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜野 桜子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00612574)
有澤 孝吉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30203384)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血清肝酵素 / メタボリック症候群 / 動脈スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
健診の基本検査項目により生活習慣病のスクリーニングが可能かを検討するという本研究課題の1つの目的について、日本人一般男女において、血清肝酵素(ALT、γGTP)値の上昇が、基準範囲内での上昇であっても、独立して、メタボリック症候群やそのほとんどの構成因子の有病割合の上昇と関連すること、また、それらの関連はとくに非飲酒者において強いことを見いだし、第73回日本公衆衛生学会で発表し、海外学術雑誌(Uemura H et al. PLoS One 2014 Apr 22;9(4):e95981)に掲載された。さらに、リクルートが完了した日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)徳島地区の協力者(35~69歳)のうち、動脈スティフネス(血管壁の弾力性)の指標となる脈派伝播速度(PWV値)を測定した男性710名から、虚血性心疾患、脳卒中、B型・C型肝炎、肝硬変、肝臓がんの既往者、血清肝酵素値や脂質値の欠損者等を除外した男性657名について、典型的な動脈硬化危険因子を調整しても、血清ALT、γGTP濃度が高いほどPWV値が高く、傾向性も有意であった。さらに、PWV値に対して血清γGTP濃度と飲酒状況との間に有意な交互作用を認め、血清γGTP濃度と動脈スティフネスとの関係は飲酒状況により異なることが示された。この成果は第84回日本衛生学会で発表し、海外学術雑誌(Uemura H et al., Atherosclerosis 2015;238(1):83-88)に掲載された。本研究課題のもうひとつの目的である、出生状況と生活習慣病との関連を検討するための出生状況データについても1,500人程度から入手でき、健診基本検査項目に加えて、インスリン値や炎症マーカーである高感度CRPも測定できた。現在、出生状況と糖尿病およびメタボリック症候群との関連について、生活習慣等を含めて、解析中である。
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Research Products
(4 results)