2014 Fiscal Year Annual Research Report
一般住民を対象にした遺伝子多型による運動効果の影響に関する比較疫学研究
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24590750
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50227013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新村 英士 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (80381177) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日常身体活動 / 運動 / 海洋療法 / 医療費 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常身体活動と運動をMETsに換算し、さらに海洋療法を活用した健康増進施設(温海水中での運動)の2005-2010年の累積利用回数を曝露要因として、血圧、脂質異常症、耐糖能異常、腹部超音波検査による脂肪肝の5年間における変化に関して808名を対象に解析した。これら要因の変化と曝露要因との関連は明らかでなかった。 449名を対象に2006-2011年のそれぞれ5月の医療費情報を収集し、2005年時の要因および海洋療法累積利用との関連を解析した。年齢、日常生活活動、高血圧薬服用、高脂血症薬服用、海洋療法利用が高い医療費と正に関連し、運動習慣が負に関連していたが、海洋療法利用者は高血圧を有する頻度が高く、その影響が考えられた。この影響を減じるために、2006-2008年と2009-2011年の医療費変化を個別に解析したところ、女性と海洋療法利用が医療費の減少と有意に関連し、海洋療法の利用回数が多い群において高血圧薬服用者における医療費の減少が明らかとなった。 遺伝子多型では、エネルギー産生や調整、肥満に関わるβ2-およびβ3-アドレナリン受容体(BAR2、BAR3)のGlu27Glu、Trp64Arg多型を用い、1,085例を対象に医療費減少に関わる要因について解析した。BAR3のTT群において高脂血症薬の服用、TG+GG群において女性と海洋療法が医療費の減少と関連していた。また、BAR2は空腹時血糖の低下に関連していた。 2005-2013年の死亡リスクに関しては、1,110名を対象に33例のイベントを認めたが、上記要因との関連は認められなかった。 運動習慣や海洋療法を用いた海中運動は医療費の減少、特に海洋療法頻回利用者においてBAR3のArg アリル保有者が血圧に関わる医療費の減少に寄与していることが示唆された。現在、学会発表と論文作成を準備中である。
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