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2012 Fiscal Year Research-status Report

カーボンナノチューブ曝露により誘発された中皮細胞における遺伝子損傷作用の解析

Research Project

Project/Area Number 24590766
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionMeiji Pharmaceutical University

Principal Investigator

小笠原 裕樹  明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (20231219)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsカーボンナノチューブ / DNA損傷 / 抗酸化酵素 / 酸化ストレス / 脂質過酸化 / ナノマテリアル
Research Abstract

本年度は、カーボンナノチューブを擬似肺胞内液でコーティング後分散して細胞に添加し、あらためてコメットアッセイを行ない、DNA in tail (%)を求めた。データ解析の結果、SWCNT及びMWCNT曝露において有意なDNA損傷が認められ、再現性が得られた。更に、塩基除去修復酵素の発現変動についてもミトコンドリア画分も含めて再解析することで、CNT曝露による酸化的DNA損傷の可能性について検討した。その結果、従来指摘されたようなグリコシラーゼ等の変化は見られなかった。しかし、核内に蓄積した間接証拠として、細胞より抽出したCNTにヒストンH3が特異的に吸着している事が明らかとなった。この結果はCNTが核内に取り込まれ、更にはDNAと相互作用する可能性を示唆するものである。
過酸化脂質修飾DNA等の付加体の解析を行う前段階として、MeT-5A細胞を用いて脂質過酸化物及びアルデヒドの生成について調べた。その結果、曝露後細胞より抽出した試料において、TBA値の有意な増加とSOD活性の低下が見出された。この結果から、過酸化脂質修飾DNA付加体の生成の可能性が推定される。
今後の展開として、CNTによる直接的なDNA損傷の誘導に主眼を置き機序解明に向けLC/MS/MSによりDNAのアルデヒド付加体等の検出を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「研究の目的」の達成度としては、新型LC/MS/MS の導入が今年度(平成25年)となったため、主眼とするCNT曝露によるゲノムDNAの変異スペクトル解析及びDNAアダクトーム解析が行えず、試料調製法や分離条件のプロトコールを作成したに止まった。(達成度10%)。進捗が大幅に遅れる事が予想されたため、別な角度からCNTを曝露した中皮細胞内で起こる変化を解析した。MeT-5A細胞を用いて脂質過酸化物及びアルデヒドの生成について調べたところ、曝露後細胞より抽出した試料において、TBA-RS値の有意な増加が見出されたことから、DNAアルデヒド付加体の生成の可能性が推定された。
曝露後細胞より抽出したCNTに曝露後細胞より抽出したCNTに結合しているタンパク質について解析した結果、多くのヒストンが結合し、特にH3がMWCNTに特異的に結合する事が分かった(達成度80%)。

Strategy for Future Research Activity

酸化のみならず、アルキル化などDNA上に何らかの損傷が起こった際、DNAからRNAへの転写に利用される転写鎖の方が、非転写鎖より優先的に修復されることが知られている。
今年度は、高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析器(LC/MS/MS)を用いたDNAアダクトーム解析法によりMeT-5Aに対するCNT曝露により起こる直接的なDNAの修飾を比較解析する。更にその突然変異誘発能及びDNA修復メカニズムについて検討する。
具体的には、アダクトーム解析のデータを詳細に調べ、その修飾パターンを明らかなものとする。DNA付加体の探索では、CNT曝露により生成する事が予想される過酸化脂質修飾DNA等の付加体の解析を、MeT-5A及びヒト気管支由来正常細胞を用いて行う。更に、様々なサイズのCNTに、肺サーファクタントなどを用いた分散を行い、CNTを細胞に曝露してDNA付加体の測定を行うと共に、そのパターンの違いを比較し、DNA除去修復の速度論的解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

DNA付加物分析用HPLCカラム、DNA抽出用キット、DNA損傷修復酵素検出用合成プライマー及び一次抗体などの消耗品。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ヒト胸膜中皮由来細胞に対するカーボンナノチューブ曝露によるDNA損傷作用2012

    • Author(s)
      小笠原裕樹、梅津 石井一行
    • Journal Title

      日本衛生学雑誌

      Volume: 67 Pages: 76‐83

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ナノサイズ酸化チタン暴露による酸化的DNA損傷の評価2013

    • Author(s)
      森井 茜、青沼 えり、小笠原 裕樹、野口 拓巳、石井 一行
    • Organizer
      日本薬学会第133年会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜 (横浜)
    • Year and Date
      20130330-20130330

URL: 

Published: 2014-07-24  

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