2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24590772
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (20320369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明星 敏彦 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00209959)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ粒子の生体影響 / 気管内注入試験 / 表面官能基による生体影響の差 / 病理組織変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ラットに3種類の表面官能基の異なるナノ粒子の気管内注入を実施し、6カ月後までの解剖を終了した。本年度は、まず注入後12か月後の解剖を行った。その結果、体重、肺、肝臓、腎臓、脾臓の臓器重量においては、3群間で有意の差は認められなかった。 気管支肺胞洗浄液中の総細胞数、好中球数については、3群間で注入後3日後に認められた増加は、認められなかった。 注入後、3日、1、3、6、12か月後の肺の病理組織変化について検討を行った。その結果、SiO2注入群、SiO2-NH2注入群、SiO2-COOH注入群とも、主な変化は肺胞マクロファージの出現、好酸球浸潤および気管支上皮杯細胞の増加であり、いずれも3日後群で顕著であり、時間の経過とともに軽減し、3か月後注入群では全注入物質群ともにほぼ消失していた。注入物質群間の比較では、SiO2注入群が変化の程度および発現例数ともに最も強く、他の2群は同程度であった。6か月、12か月後ではごく軽微な肺胞マクロファージの出現が認められたが、これは正常群でも認められる程度の変化であり、注入の影響は残っていないと考えられた。
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