2013 Fiscal Year Research-status Report
環境化学物質によるダイオキシン受容体を介したTh17細胞分化に及ぼす影響
Project/Area Number |
24590773
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Research Institution | Hokkaido Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小島 弘幸 北海道立衛生研究所, 食品科学部, 主幹 (10414286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 伸治 北海道立衛生研究所, 理化学部, 主査(有害化学物質) (20414287)
室本 竜太 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (30455597)
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Keywords | 環境化学物質 / AhR / IL17 / Th17 / ROR / 自己免疫疾患 / ダイオキシン / レポーターアッセイ |
Research Abstract |
近年、インターロイキン(IL)-17を特異的に産生するヘルパーT細胞群(Th17)による免疫異常症への関与が注目されており、この細胞分化を制御するマスター遺伝子として、レチノイド関連オーファン受容体(ROR)の他に、ダイオキシン受容体(AhR)が報告されている。環境化学物質の中にはAhRに結合して生体へ悪影響を及ぼす物質が数多く報告されており、これらの物質によるIL-17を介した免疫異常症への関与が懸念される。本研究2年目は、マウスリンパ腫EL4細胞及びAhR-knockdown EL4細胞を用いて、AhRアゴニスト作用を有するイソフラボン類の一つ、バイオカニンA(BA)によるIL-17 mRNA発現増強作用の機構について検討した。 1)EL4細胞とAhR-knockdown EL4細胞のIL-17 mRNA発現量をRT-PCR法により比較したところ、AhR-knockdown EL4細胞においてEL4細胞よりもIL-17 mRNAの約100倍以上の発現増大を認めた。また、EL-4細胞では刺激剤で誘導されたIL-17遺伝子発現をBAが増強する作用を示したが、AhR-knockdown細胞ではその増強作用は認められなかった。さらに、BAはEL4細胞でのIL-22 mRNA発現を増強することからも、BAはEL4細胞においてAhRアゴニストとして機能することが明らかとなった。 2)シグナル伝達転写活性化因子(STAT3)の細胞内リン酸化(活性化)はRORの産生を誘導しIL-17産生を増強することから、BAによるSTAT3活性化に及ぼす影響を調べたところ、BAはSTAT3活性化を増強することが明らかとなった。さらに、STAT3活性化を引き起こすc-SRCキナーゼ活性を増強することから、この作用はAhRを介したc-SRCキナーゼ活性化によるカスケードの関与が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Dioxin 2013の国際学会や第20回日本免疫毒性学会(年会賞受賞)で発表を行うなどの成果を挙げており、これらのデータについて現在投稿準備中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
AhRを介したIL-17産生増強のメカニズムを解明する一環として、IL-17遺伝子発現のマスター遺伝子である核内受容体ROR、ダイオキシン受容体AhR、さらに、シグナル伝達転写活性化因子STAT3を含めたAhR-STAT3-ROR相互作用について環境化学物質存在下での影響を明らかにする。環境化学物質として、大気環境中に多く存在する多環芳香族炭化水素(PAH)の影響を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の物品購入費に若干のゆとりを持たせたかったため。 物品費として使用する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Simple and rapid determination of PCDD/Fs in flue gases from various waste incinerators in China using DR-EcoScreen cells2014
Author(s)
Zhiguang Zhou, Bin Zhao, Hiroyuki Kojima, Shinji Takeuchi, Yoko Takagi, Norio Tateishi, Mitsuru Iida, Takuya Shizaki, Pengjun Xu, Li Qi, Yue Ren, Nan Li, Sen Zheng, Hu Zhao, Shuang Fan, Ting Zhang, Aimin Liu and Yeru Huang
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Journal Title
Chemosphere
Volume: 102
Pages: 24-30
DOI
Peer Reviewed
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