2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24590776
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
伊藤 秀美 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 室長 (90393123)
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Keywords | 乳がん / 遺伝的リスク要因 / 個別化予防 |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に行った症例対照研究の結果を基に、一般集団により理解しやすいリスク提示方法として、遺伝的リスクごとの絶対リスク評価を行った。 症例対照研究で得られたそれぞれの遺伝的リスクグループの相対リスク(オッズ比)と対照群における遺伝的リスクグループの頻度グループ、日本人女性人口、地域がん登録データより得られる日本人女性乳がんの5才階級別罹患率を元に、Petoらの方法により、遺伝的リスクに応じた絶対リスクを算出した。 昨年度リスクアレルの数により5つのリスクグループを設定したが、最もリスクの高いグループ2つをまとめて、4つの遺伝的リスクグループにおいての絶対リスク(累積リスク)を評価したところ、75歳までの累積リスクは、リスクの低い順に、6.5%(低リスク群、リスクアレル数0-3)、8.8%(中リスク群、4-5)、10.9%(高リスク群、6-7)、20.6%(超高リスク群、8-11)と、リスクが高くなるほど累積リスクは高かった。また、超高リスク群では、40歳までの累積リスクが3.6%と他のグループの約2倍で、35歳までの累積リスクが1.8%と他のグループが40歳で達する累積リスクにすでに35歳で達していることが分かった。さらに、この群での40歳以降の累積リスクの増加は他群に比べて急激であった。次に、遺伝的要因とBMIで層別化した累積リスクを評価した。低・中リスク群では、累積リスクがBMIに関係なく7-9%であったのに対し、高リスク群では9.9%-13.7%、超高リスク群では17.4%-25.8%と、遺伝的リスクが高くなるほど乳がんにおけるBMIの影響が大きいことが分かった。 本研究成果は、例えば、乳がんリスクの高い群では、乳がん検診開始年齢を早めることや検診間隔を短くする等、肥満対策を重点的に行うといった、個別化予防に資するものであった。
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Research Products
(9 results)