2014 Fiscal Year Research-status Report
小唾液腺をターゲットとした高齢者口腔乾燥症の治療戦略と大震災の影響
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24590780
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
佐藤 しづ子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60225274)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10125560)
庄司 憲明 東北大学, 大学病院, 講師 (70250800)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 口腔乾燥症 / 小唾液腺 / 高齢者 / 東日本大震災 / 震災ストレス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、超高齢化社会に伴い口腔乾燥症患者が急増している。我々は、これまでの一連の研究から、小唾液腺分泌量低下こそが口腔乾燥症の様々な症状の有力な原因になると考え、研究ならびに外来治療を進めている。その過程において、東日本大震災を経験したが、震災後に高齢者口腔乾燥症患者の診療を再開したところ、震災前に比較して小唾液腺分泌量の低下が多くの患者に認められ、震災の影響が多大であることが窺われた。
そこで、本研究では、高齢者における口腔乾燥における小唾液腺機能低下の有無を明らかにするとともに、大震災ストレスと小唾液腺機能との関連を検討し、高齢者の小唾液腺をターゲットとした「新しい口腔乾燥症の診断・治療法」を構築することを目的として研究をすすめている。
これまで、本学附属病院歯科に口腔乾燥感を主訴とした高齢者患者を対象に、小唾液腺分泌量測定と総唾液分泌量測定を行い、その関連を検討、口腔乾燥感は総唾液分泌量よりも小唾液分泌量に依存することが判明した。現在、引き続き、小唾液腺分泌量低下への震災ストレスの関与について、検討を行っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高齢者口腔乾燥者の小唾液分泌量について研究を進め、研究成果について論文を準備していたが、その過程で、小唾液腺分泌量低下にストレス以外に、不安・抑うつ因子の影響が大きいことが判明し、これらの影響を加えて結果を再検討し直す必要が生じた。従って、心理的要因・気分変調などの評価を追加し、結果を分析しなおすために、研究の遅れが生じた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究において今後、被験者の震災後長期ストレスによる心理的かつ身体的状況を明らかにすることが必要である。患者ならびに被験者に対する、心理的因子を評価するさまざまな心身医学的評価法が開発されている。今年度に、口腔乾燥への影響を明らかにするために、どの評価方法が適するか、各種評価法を検討した結果、不安とうつの評価を含むSSAS身体感覚増幅尺度東京大学翻訳版と、医療・教育・産業界など広い領域で用いられているPOMS感情・気分プロフィール評価法が適するすることが判明した。
従って、今後、被験者にSSAS身体感覚増幅尺度東京大学翻訳版とPOMS感情・気分プロフィール評価法を用いて心理的状況を把握し、口腔乾燥との関連を検討を進める。
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| Causes of Carryover |
高齢者口腔乾燥症者の小唾液腺分泌量についての研究についてまとめている過程で、小唾液腺分泌に予想外に、不安、抑うつなどの影響が大きいことが判明し、これらの影響を加えて結果を再検討し直す必要が生じため、新たに、被験者に心理状態および気分の変調などの要因について評価を行うことになった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者に、小唾液腺分泌量測定と心理状態および気分の変調の評価を行う。次年度の使用研究費は、被験者への測定用時の器具、不安などの既存の評価用紙と評価方法説明書などの購入にあてる。また、研究をまとめ英文論文投稿を行うための、英文校正費用、論文別刷り代金にあてる。
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