2014 Fiscal Year Research-status Report
マンモグラフィ検診における中間期乳癌の生物学的特性と検診間隔の妥当性に関する研究
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24590781
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 昭彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60375045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 孝宣 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292318)
梅田 みか(渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
河合 賢朗 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80513530) [Withdrawn]
大内 憲明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90203710)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳がん検診 / マンモグラフィ / 超音波検査 / 総合判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験(J-START)」が計画され、仙台市でも2007年度、2008年度に登録研究が行われた。仙台市乳がん検診でJ-STARTに登録した6731名を対象として、マンモグラフィで腫瘤カテゴリー3以上の症例を抽出し、同時に施行された超音波検査結果、精密検査機関からの検査結果を基にマンモグラフィ所見と超音波検査の信頼性に関して考察を行った。マンモグラフィの所見でカテゴリー5は2例(2例とも乳癌)、カテゴリー4は13例(乳癌3例)、カテゴリー3は128例(乳癌1例:但し構築の乱れでカテゴリー4の診断、検診超音波未施行)であった。カテゴリー3の128例のうち、随伴所見として石灰化カテゴリー3が1例、石灰化カテゴリー4が1例あったがいずれもがんは認めなかった。検診時に超音波検査を併用していた症例が68例あり、超音波でカテゴリー2の所見があるものが23例、超音波カテゴリー3の症例が9例であった。この9例中6例は線維腺腫、1例が嚢胞、2例は異常なしの精査結果であった。36例は検診超音波での異常所見がなく、精密検査の結果でも26例は正常または乳腺症、2例が線維腺腫、2例が嚢胞、6例は不明またはその他の所見と報告されている。超音波検査は十分な精度管理下では診断精度が高く、精密検査結果との整合性が高いことが示唆される。高い要精検率が不利益として問題視される40歳代女性において、マンモグラフィ検診に超音波を併用し総合判定することは腫瘤を所見とする要精査を70%程度減少させることが期待できる。一方で超音波単独で要精査となる症例が217例(受診者の6.4%)あり、検診でのバランスを検討することが必要である。今後より不利益の少ない検診システムにできるよう、マンモグラフィと超音波の総合判定基準をブラッシュアップすることが重要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に続いて、仙台市乳がん検診で発見された乳がん症例の画像データの集積は継続して行っている。一方、地域がん登録で中間期がんと確定された症例であっても、治療した医療機関への逆照会は、癌登録の性格上禁止されており、把握した症例に対して当初の目的であった病理組織学的調査を追加することには大きな障壁となっている。現時点では、集積された検診での画像データの解析により、より見逃されやすい(中間期がんとなる可能性の高い)画像所見のデータベース化を進め、検診精度の向上に寄与することを目的として研究を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年の報告でも記載したが、地域がん登録で中間期がんと確定された症例であっても、治療した医療機関への逆照会は、癌登録の性格上禁止されており、把握した症例に対して当初の目的であった病理組織学的調査を追加することには大きな障壁となっている。医療機関を通さない中間期癌の把握にはおよそ4年のタイムラグが発生するため、平成26年度には中間期癌の検証は見送り、平成27年度中の調査を行って平成20年度の検診受診者の中間期癌(平成22年度までの発見癌)の調査を行う予定である。このため研究予算の繰越申請を行い、研究機関を一年間延長する手続きを行った。
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Causes of Carryover |
乳がん検診の精度管理、中間期乳癌の生物学的特徴の研究の目的で主として仙台市乳がん検診、宮城県対がん協会の乳がん検診から画像データの提供、検診結果の提供をうけ、調査を行っている。中間期乳癌の把握には、地域がん登録との照合が極めて有効であるが、地域がん登録への症例登録はおよそ4年間のタイムラグが存在する。仙台市、宮城県対がん協会ともに2007年、2008年度の検診ではJ-STARTに参加しており、この年代の検診受診者の中間期癌が確定する2011年度までの登録を待って調査を行うことが有効であると判断した。このため研究経費の執行を保留し、次年度へ繰り越す手続きを行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検診画像の継続的収集を行うとともに、中間期乳癌の把握を目的として地域がん登録との照合調査を行う予定である。称号によって新たに得られた乳癌症例に関して、再調査、画像データの収集を行う予定である。
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Research Products
(3 results)