2013 Fiscal Year Research-status Report
社会経済的要因による健康格差に関する国際比較‐職域ストレスと生活習慣からの検討‐
Project/Area Number |
24590787
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
関根 道和 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30303225)
|
Keywords | 日本 / 英国 / フィンランド / 社会経済的要因 / 健康格差 / 心理社会的ストレス / 生活習慣 / 国際比較 |
Research Abstract |
現在までの国際共同研究において、横断研究における日本・英国・フィンランドの社会経済的要因による健康格差に関する類似点と相違点として、3ヵ国とも心理社会的ストレスの格差があり健康格差が存在するという類似点を認めているがその大きさやパターンは異なること、英国やフィンランドは喫煙などの望ましくない生活習慣や肥満が社会経済的地位の低い人に多いのに対して日本においては社会経済的地位との関連がはっきりしないなどの相違点があった。そこで、縦断研究により、日本・英国・フィンランドの健康格差の変化を評価したところ、英国やフィンランドについては特に男性において健康格差が拡大する傾向にあったのに対して日本でははっきりした傾向がなく、健康格差の経年変化について異なる傾向があることがわかった。また、国内研究としては、仕事の裁量権の格差が仕事の満足度格差に寄与し、また満足度の低い人は精神身体症状が多いことから、裁量権格差が満足度格差を介して健康格差につながっている可能性が示唆された。我々の過去の研究から、精神的身体的健康度格差の両方に睡眠障害の格差が介在していることから、睡眠時間と睡眠障害により深く検討を行ったところ、短眠者と長眠者の両方で睡眠障害が多く、7-8時間睡眠者で睡眠障害が少ないというU字型であり、それが睡眠時間と精神的身体的健康度のU字型の関係にも寄与していることが分かった。国際比較研究と国内研究から、社会経済的要因による健康格差とその背景の類似点および相違点がより多くの指標で明らかになってきている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生活習慣や心理社会的ストレスの健康格差への役割について、横断研究や縦断研究を順次するめるという研究計画に対して、計画通りに研究結果を出しているので、順調に進展していると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も、予定通り、心理社会的ストレスや生活習慣の健康や健康格差への寄与について、国内研究及び国際比較を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会参加にかかる費用が予定より少なかったため。 学会参加費として使用する予定。
|
-
-
[Journal Article] Conflicts between work and family life and subsequent sleep problems among employees from Finland, Britain, and Japan2014
Author(s)
Lallukka T, Ferrie JE, Kivimaki M, Shipley MJ, Sekine M, Tatsuse T, Pietiläinen O, Rahkonen O, Marmot MG, Lahelma E
-
Journal Title
International Journal of Behaviour Medicine
Volume: 21
Pages: 310-318
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-