2014 Fiscal Year Research-status Report
社会経済的要因による健康格差に関する国際比較‐職域ストレスと生活習慣からの検討‐
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24590787
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
関根 道和 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30303225)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本 / 英国 / フィンランド / 社会経済的要因 / 健康格差 / 心理社会的ストレス / 生活習慣 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の我々の研究から、日本の公務員は、英国やフィンランドの公務員と比較して、特に女性のワーク・ライフ・バランスが悪いことが明らかとなっている。そこで、日本の公務員におけるワーク・ライフ・バランスの決定要因を評価した。その結果、長時間労働は、男女のワーク・ライフ・バランスの強い決定要因であった。有配偶で子育て中の女性では、ワーク・ライフ・バランスが悪かった。長時間勤務への対応と、子育て支援が重要である(J Occup Health 2014)。また、過去の研究において、日本の公務員における睡眠格差が認められていることから、就床時間と睡眠障害、精神的身体的健康との関連性について詳細に検討し、長眠者および短眠者の両者に睡眠障害が多く精神的身体的不健康に寄与していたが、睡眠障害のパターンは異なっていた(Sleep Med 2014)。職務不満足は、健康度悪化や離職につながるため、職務不満足の格差を評価したところ、管理職と比較して、中間管理職、一般職と職階が低くなるほど職務不満足は増加するという格差を認めた。職階が低い人に職務不満足が多い理由は、職階が低い人は、裁量度が低く、支援度が低く、陰性感情が多いことが理由として考えられた。また、職務不満足は男性より女性に多いという男女格差を認めたが、種々の仕事と家庭の要因の男女格差で説明できた(Ind Health 2014)。過去の3か国比較研究では、3か国の男女とも、職階が低いほど身体的不健康の傾向にあるという格差を認めていたが、その格差は英国やフィンランドの男性では拡大しやすいことが分かった。日本の男性では格差の拡大は認められなく、日本の格差は拡大しにくい特徴がある可能性がある(Health Place 2015)。現在までの国際共同研究の結果についてのレビューを行った(日循予防誌2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心理社会的ストレスや生活習慣の健康格差への役割について、国内研究や国際研究の形で計画通りに研究結果を出しているので、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にある通り、心理社会的ストレスや生活習慣の健康格差への役割について、国内研究や国際研究を行う。
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Causes of Carryover |
学会参加にかかる費用が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加費や情報収集費として使用する予定。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Social class inequalities in health among occupational cohorts from Finland, Britain, and Japan: a follow up study2015
Author(s)
Lahelma E, Pietilainen O, Rahkonen O, Kivimaki M, Martikainen P, Ferrie J, Marmot M, Shipley M, Sekine M, Tatsuse T, Lallukka T
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Journal Title
Health and Place
Volume: 31
Pages: 173-9
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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