2012 Fiscal Year Research-status Report
地域一般住民のアルコール摂取量とアディポサイトカイン、生活習慣病リスクとの関係
Project/Area Number |
24590802
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
藤井 瑞恵 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (20331192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20359996)
斉藤 重幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (60253994)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 飲酒 / 生活習慣病 / アディポサイトカイン |
Research Abstract |
壮瞥町で平成24年度の住民健診は7月19日~28日、12月1日に実施した。受診者中質問紙調査に回答があった654名中、データ欠損者、健康障害により飲酒を辞めた人、 空腹時血糖140mg/dl以上、γ-GTP200mg/dl以上を除外した564名を解析した。全員に早朝空腹時に腹囲測定、安静時坐位血圧、空腹時血糖、中性脂肪、 HDL-コレステロール値、高感度CRP値、血漿インスリン値等を測定した。飲酒は質問紙で1回当たりの飲酒量、種類、飲酒頻度、飲酒歴、過去飲酒経験の有無等を調査した。総飲酒量(g/day)で性別毎に3分位・4分位で群分けを行い非飲酒者も加えて4群・5群を作成。多量飲酒(1回60g/日)有無、飲酒頻度による群分け(機会飲酒、週2-3回、4回-毎日)で解析を行った。飲酒量4群では、女性で非飲酒者に比べて飲酒群T1-3で年齢(p<0.001)とSBP(p<0.001)が有意に低かった。男性では非飲酒者に比べて飲酒群T1-3で年齢(p<0.001)が低く、非飲酒者に比べT3でγ-GTPが有意に高かった(p<0.001)。 多量飲酒の有無では、女性では非飲酒者に比べて多量飲酒群で年齢(p<0.001)、収縮期血圧が有意に低く、HDL-コレステロール値(p<0.001)と塩分推定摂取量(p<0.01)が有意に高かった。男性では多量飲酒者で年齢は有意に低く(p<0.001)、HDL-コレステロール値有意に高かった。いずれの解析でもHOMA-IRや高感度CRPでは差が見られなかった。血圧高値を従属変数としたロジスティック回帰分析では、腹囲・年齢・空腹時血糖・γ-GTPで調整後も飲酒有無は女性で有意にオッズ比が0.55(95%CI:0.29-0.87,p<0.01)であったが、男性では関連が認められなかった。今後喫煙などの生活習慣の要因を追加しさらに解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の壮瞥町健診受診者は夏・冬合計654人からのデータが得られた。血液検査、身体指標、飲酒に関する質問紙、健康関連QOLについて調査を実施している。アディポサイトカインとしては高感度CRPについて調査を実施し、順調にデータを蓄積することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は当初の計画通り、解析対象者を増加させる目的で平成24年度と同様の健診項目を継続する予定である。またアディポサイトカインの調査種類も追加する予定である。飲酒頻度・量・種類と健康関連QOLなど心理社会的要因も加えて解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度健診のための経費として、謝金200,000円、検体検査料金10,000,00円、旅費200,000円その他50,000を予定している。 また平成24年度執行予定の192,571円が、予定されていた分担研究者の出張が中止になったこと、また物品の購入金額が予定よりも安価で購入できたため、未使用となっている。この点については、平成25年度の検体検査料金として使用予定である。
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