2014 Fiscal Year Annual Research Report
多胎児のための親子関係改善介入プログラムの開発と評価に関する研究
Project/Area Number |
24590829
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
加藤 則子 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (30150171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 秀美 独立行政法人国立健康・栄養研究所, その他部局等, その他 (50270690)
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80191146)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多胎児 / 親子関係 / 親プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
多胎児は妊娠リスクを伴い出生時に起こる医学的問題から育児困難が起こりやすく、また一度に二人以上を育てることによる育児負担も加わり児童虐待をおこしやすくなる要因にもなっている。これまで多胎児の育児支援が必要であることが強調されている。本研究では親子関係を改善するような親支援介入プログラムを多胎児に応用してその有用性を評価しようとした。 一般児において効果の検証されている親介入プログラム(レベル3プライマリケアトリプルP)を多胎児に応用する場合の留意点について、面接調査等によって明らかにしたうえで、関東地方在住の当該プログラム有資格ファシリテータに、多胎児にプログラムを実施する上での事前トレーニングを行った。 介入は無作為ランダム化デザインによって行った。和光市とさいたま市の子育て支援NPO法人の協力を得て、1歳から5歳までの双子を持つ家庭のリストの提供を受け、性、年齢、子どもの行動の問題の程度(SDQを使用)で層化したうえで、介入群22例、ウエイトリスト群22例を設定した。この中で、実際に介入が出来たのは20例、前後の諸指標が評価できたのは介入群19例、ウエイトリスト群17例であった。介入は、何らかの行動に問題や困難を感じる双子の一人に対してとし、双子のうちのもう一人が介入効果にどのような影響を及ぼしているのかを検討した。 介入した場合はしない場合より、PS(子育ての多弁さ、過剰反応、手ぬるさ)が有意に改善し、SDQ(親の感じる子育ての困難さ)が有意に減少し、DASS(抑うつ不安ストレス尺度)が有意ではないが減少した。双子のもう片方も同様に評価した結果、ウエイトリスト群では、双子同士の相互作用により、問題行動はより困難化していることが分かった。介入群では、双子の一人に介入効果が生じた場合、もう片方の問題行動も解決され子育ての特徴もより一貫したものに変容してゆく事が分かった。
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Research Products
(3 results)