2012 Fiscal Year Research-status Report
肥満関連遺伝子および糖尿病関連遺伝子と大腸腺腫との関連を検討する分子疫学研究
Project/Area Number |
24590830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
山地 太樹 独立行政法人国立がん研究センター, がん予防・検診研究センター, 研究員 (10466203)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸腺腫 / 肥満関連遺伝子 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
平成24年度は、申請した研究計画に則り、肥満関連遺伝子FTOの詳細な検討を行った。肥満関連遺伝子FTO は、16番染色体のq12.2上に存在する大きさ約418 kbpの遺伝子である。公的データベースであるGWASカタログによれば、2013年4月末現在で肥満に関連する表現型との相関が報告されているTag SNPはFTO遺伝子上に15あり、このうち複数の研究で確認されているのは6つのTag SNP(rs8050136, rs1558902, rs9939609, rs9930506, rs1121980, rs6499640)であった。また、GWASカタログに掲載されている15のTag SNPは、FTO遺伝子の比較的上流部分である概ね52,300 kbpから52,400 kbpの範囲にまとまって存在していた。そこで、ハプロタイプ解析を行ったところ、15のTag SNPがグループ1(rs1421084)、グループ2(rs6499640)、グループ3(rs9940128, rs1421085, rs1558902)、グループ4(rs1121980)、グループ5(rs17817449, rs8050136)、グループ6(rs9939609, rs7202116, rs9941349, rs9930506, rs9922619, rs12149832, rs11642841)に分類されることが分かった。同じグループに存在するTag SNPから得られる遺伝的情報はほぼ同一であるので、大腸腺腫との関連解析は各グループを代表する6つのTag SNP(rs1421084, rs6499640, rs1558902, rs1121980, rs8050136, rs9939609)で行うのが妥当であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の申請を行った2011年当時と比べ、ゲノムワイド関連解析で同定された肥満関連の表現型と相関するFTO遺伝子のTag SNP数が飛躍的に増えていた。その中から科学的に意義のあるTag SNPを選別するのに時間を要してしまい、平成24年度後半から開始する予定だった肥満関連遺伝子FTOの多型解析が平成25年度にずれ込んでしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、前年度後半から開始する予定だった肥満関連遺伝子FTO の多型解析にとりかかる計画である。本研究の申請を行った2011年当時と比べ、より安価でよりHigh throughputの多型解析プラットホームが開発されているので、糖尿病関連遺伝子TCF7L2 およびKCNQ1 の多型解析も同時に行うことで、研究の遅れを取り戻したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、肥満関連遺伝子FTOから科学的に意義のあるTag SNPを選別するのに時間を要してしまい、多型解析を開始するに至らなかった。しかし、肥満関連遺伝子FTOでの経験を活かせば、糖尿病関連遺伝子TCF7L2 およびKCNQ1から科学的に妥当なTag SNPを速やかに選別することができると期待している。平成25年度は、前年度の研究費も合わせて、肥満関連遺伝子FTOだけでなく糖尿病関連遺伝子TCF7L2 およびKCNQ1 の多型解析を実施する計画である。
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