2014 Fiscal Year Research-status Report
がん診断後のうつ病の背景因子に関する分子疫学的検討
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24590831
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
小川 朝生 独立行政法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (10466196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内富 庸介 独立行政法人国立がん研究センター, 支持療法開発センター, 支持療法開発センター長 (60243565)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疫学 / 分子疫学 / 臨床精神分子遺伝学 / 緩和医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
抑うつ状態はがん患者の30%と高頻度に認められる精神症状である。抑うつ状態は、精神症状自体ががん患者の療養生活の質(Quality of Life: QOL)を下げるのみならず、食欲不振が引き起こす全身状態の悪化を通して生命予後にも影響する。がん医療において、がん患者の抑うつ状態に適切な治療が提供されていないことが繰り返し指摘されており、早期発見および効果的な治療法の開発が要請されている。 うつ病をはじめとする精神疾患の背景に遺伝要因が関わっていることは臨床遺伝学研究より明らかになってきた。現在ではうつ病を含む気分障害には、複数の遺伝要因が関与しているとの説が有力とされている。 がん患者の抑うつ状態に関しても、遺伝子多型に関する検討がなされつつあり、乳がん患者の告知後の抑うつ状態とセロトニントランスポーター遺伝子(5-HTTLPR)との関連やがん組織のEGFR遺伝子プロファイルと精神症状との関連が検討されている。しかし、がん患者の精神症状を網羅したデータベースが世界的にもないことから、ゲノム全般にわたる検討はいまだになされていない。 そこでわれわれは、呼吸器科や予防検診部門と協働で構築し、臨床背景因子、生活習慣、精神症状、血液、癌組織を1800例について構築したデータベースを用いて、生殖細胞変異を検出する目的で全エクソン配列を決定する際に同時に検出される遺伝子多型について、ゲノムDNAとうつ病および癌告知という破局的ストレスへの心理的適応との関連について検討することを計画した。本年度は、肺がん細胞を取り出し、ゲノムDNAを抽出するのにあわせて、非がん組織からもゲノムDNAを抽出し、体細胞変異を区別する作業準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の手続きに従い、パラフィン包埋病理組織標本からlaser capture microdissectionを用いて、特異的に肺がん細胞を取り出し、ゲノムDNAを抽出するのにあわせて、非がん組織からもゲノムDNAを抽出し、体細胞変異を区別する作業準備を進めた。本作業は、同時に解析を予定している肺がん細胞のシーケンスを先行して行い、ゲノムDNA変異、構造変異が見いだされたものについて、DNAシーケンスを応用し確認する作業を行う予定であったが、がん細胞での確認作業の進捗が遅れたため、非がん組織からの検討作業が遅れたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、特異的に肺癌細胞を取り出し、ゲノムDNAを抽出する作業を継続する。がん細胞のDNA上の遺伝的多型と体細胞変異を区別するための比較材料として、がん部と同等の品質のDNAを得るために同時に切除された非がん組織からもゲノムDNAを抽出する。 その上でDNAからSure Select Target Enrichment System等を用いて全エクソン領域を濃縮する。この領域をIllumina Genome Analyzer等を用いてpaired-end sequencing法により30 depth以上のcoverageを目標にシーケンスを行う。これによりゲノムDNAの変異、構造異常等が見出されたものについて、サンガー法によるDNAシーケンス、DNAマイクロアレイ法等を応用し確認を行う。 上記結果を臨床背景、心理社会的因子(Mental Adjustment to Cancer (MAC) scaleおよびHospital Anxiety and Depression Scale (HADS))について上記データベースから抽出し、生殖細胞系列変異の頻度および様式と、HADS得点やMAC scale得点との相関を解析する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に、パラフィン包埋病理組織標本からlaser capture microdissectionを用いて、特異的に肺がん細胞を取り出し、ゲノムDNAを抽出するのにあわせて、非がん組織からもゲノムDNAを抽出し、体細胞変異を区別する作業準備を進めた。本作業は、同時に解析を予定している肺がん細胞のシーケンスを先行して行い、ゲノムDNA変異、構造変異が見いだされたものについて、DNAシーケンスを応用し確認する作業を行う予定であったが、確認作業の進捗が遅れたため、非がん組織からの検討作業に遅れを生じ、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、非がん組織からのDNA抽出と変異の頻度、様式の解析を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Association between adjuvant regional radiotherapy and cognitive function in breast cancer patients treated with conservation therapy.2014
Author(s)
Shibayama O, Yoshiuchi K, Inagaki M, Matsuoka Y, Yoshikawa E, Sugawara Y, Akechi T, Wada N, Imoto S, Murakami K, Ogawa A, Akabayashi A, Uchitomi Y.
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Journal Title
Cancer Med
Volume: 3
Pages: 702-709
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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