2013 Fiscal Year Research-status Report
介護保険サービス利用者の療養場所移動の実態とケアの質確保に関する研究
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24590834
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (20150881)
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Keywords | ケアの連携 / 移行期ケア / 高齢者医療 / 高齢者介護 / 医療経済学 / 介護保険制度 / 医療保険制度 |
Research Abstract |
1.介護保険・医療保険のレセプトデータを用いた介護保険サービス利用者の療養場所移動パターンの把握 共同研究を行っている自治体から提供された介護保険・医療保険レセプトデータを用い、ひと月ごとの療養場所(自宅、病院、施設)の把握と当月における療養場所移動を把握するプログラムを更新した。この解析プログラムを用い療養場所の移動パターンを把握した。医療資源の消費が生涯で最も多くなるといわれている死亡前1年間に限定して分析した結果、死亡前12か月の時点では約8割の者は自宅で生活していたが、死亡時期に近づくにつれその割合は減少し、死亡当月は2割弱となっていた。要介護高齢者では、介護保険施設の利用が加わるため、移動パターンは複雑になっていた。特に、移動パターンが「自宅・病院」、「施設・病院」、「自宅・病院・介護保険施設」の3つは、医療機関の入退院を含むため、入退院時における適切な連携によるケアの継続性、必要な医療・介護の確保が重要である。 2.療養場所移動前後のケアの質維持・向上に関する記述研究 移行期ケア(transitional care)、ケアの連携(care coordination)、再入院の予防等に関する原著論文・REVIEW論文、報告書、リーフレット等を約100篇収集した。これらの文献を用いて、わが国に適用可能な移行期ケアプログラムやcare coordinationに必要とされる構成要素の洗い出しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統合型データベースの開発は、概ね順調に進展したが、適宜、プログラムの修正を行った。現在、共同研究を行っている自治体から、新たに追加データ入手の準備を進めたが、年度内に新規データを入手することができなかった。その他、ある県における全県レベルの医療・介護レセプトデータの入手準備、某後期高齢者医療広域連合からのレセプトデータの入手準備を同時並行的に進めた。 ケア移行期における医療・介護の質維持・向上に関する文献レビューは、最新の文献を含めて数多く収集することができた。昨年度では検索できなかった一般者向けリーフレットも多数、検索・入所可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、対象自治体の新しいレセプトデータを入手し、データベースを更新する。データは時間軸による分類で二つに区分され、既に入手しているデータについては、療養場所変更時の移動の種類、具体的には入院と退院、入所と退所が区別するために、「入院・入所年月日」情報を追加して提供を受ける予定である。他方、新しい時期における新データを入手し、時期の違いによって、医療・介護サービス利用や療養場所移動パターンに違いが認められるかどうか分析する。 移行期におけるケアの質維持・向上については、文献収集を継続するとともに、これまでに収集した文献を用いて、ケア移行パターン別に、わが国で使用可能なケア移行期チェックリストを開発する。
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