2012 Fiscal Year Research-status Report
HIV感染者におけるHBV・梅毒トレポネーマの感染歴とHBV遺伝子型の解析
Project/Area Number |
24590840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小島 洋子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (70291218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 治代 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (20250300)
川畑 拓也 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (80270768)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 疫学 / HBV / HIV / STIs / syphilis |
Research Abstract |
平成24年度の研究計画に従い、大阪府内の性感染症関連診療所(性病科、皮膚科、泌尿器科、婦人科等)計5箇所に来院したHIV感染に関してリスクが高い行動をとっていると思われる受診者を対象にHIV、HBV、梅毒トレポネーマ(TP)の血清学的検査を行った。HIVとHBVについてはウイルスゲノムを解析し、分子疫学的解析を行った。 平成4年から平成24年までのHIV疫学調査での検体42829例のうち、HIV陽性例は246例であった(0.57%)。解析できた201例のHIVサブタイプはB;193例(96%)、AE;7例、C;1例であった。HIV陽性検体のうち、検査ができた221例におけるB型肝炎ウイルス(HBV)のHBs抗原(HBsAg)陽性例は21例(9.5%)であった(本研究開始以前のデータも含む)。21例の遺伝子型(genotype)はAe;12例(57%)、C;4例、G;3例、不明;2例であった。またGの2例は全塩基配列の解析により、AeとGのリコンビナントウイルスであることが判明した。また、HIV陽性例では64.7%はHBVに、51.6%はTPに感染歴があることが明らかとなった。 HIV陰性対照群303検体におけるHBsAg陽性例は5例(1.7%)であり、genotypeはAe;3例、C;1例、不明;1例であった。HBVとTPの感染歴はそれぞれ24.4%と38.0%であった。 HIV陽性者におけるHBV陽性率はHIV陰性例と比べて有意に高く(P <0.001)、TP陽性率も同様に高かった(P<0.01)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画に従い、順調に検査の実施を行う事ができた。2006年から2011年についてのデータを用いて学術雑誌に発表する事もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、引き続き疫学調査を続けるとともに、研究に協力して頂ける新たな性感染関連診療所を開拓し、臨床症状や問診により医師が検査を必要と判断した人にHIV検査を勧めてもらうように働きかける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は平成24年度と同様に、HIV疫学調査でのHIV陽性例およびHIV陰性例についてHBsAg、HBc抗体(HBcAb)、HBs抗体(HBsAb)、梅毒TP抗体の調査を行う。特に、HBsAg陽性の場合は遺伝子解析(可能であれば全塩基配列で)を行い、ジェノタイプを決定する。データの蓄積、公開を行う事により、新たに協同で研究を行う新規の診療所を開拓し、HIV感染者の早期発見を行うと共に、医師への検査情報の提供を行う。 HBVリコンビナントウイルスについてもデータを解析し、学術雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)