2012 Fiscal Year Research-status Report
人工核酸LNAを用いた高感度な挿入欠失多型解析法の確立と個人識別への応用
Project/Area Number |
24590847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
浅利 優 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40360979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 友博 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 特定職員 (00439035)
岡 久美子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60571891)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 個人識別 / 挿入欠失多型 / PCR / 蛍光標識 / 人工核酸LNA / ユニバーサルプライマー |
Research Abstract |
人工核酸であるLNAを数個導入したプライマーを用いて、ユニバーサル蛍光PCR法にて蛍光標識産物の増幅効率を検討した。LNAを導入するユニバーサルプライマーとして、Tmの異なるM13(-21)とM13(-47)の2種類に対して、5’側に1~4個のLNAを含む配列(計8種類)を作成した。なお、M13(-47)は一般的なユニバーサル配列で特に高いTmであり、M13(-21)は平均的なTmであった。これらのプライマーの5’末端はすべてFAMで蛍光標識した。蛍光標識したユニバーサルプライマーとFGAを増幅するフォワードおよびリバースプライマーを用いてPCRを行い、蛍光標識したユニバーサルプライマーの違いによる蛍光強度を比較した。M13(-21)ではM13(-47)よりも顕著に増幅効率が低く、3個のLNAを含むM13(-47)で最も高い蛍光強度が得られた。この結果よりLNAの増強効果はTm値の高いユニバーサルプライマーで顕著であることが明らかとなった。また、LNAの位置および数が極めて重要であることが示唆された。 個人識別に有効となる挿入欠失多型を選択して各領域に特異的なプライマーの作成を行った。UCSC ゲノムブラウザおよびdbSNPよりアジア集団でのマイナーアリルの出現頻度が0.5 に近い部位を検索し、同一染色体上にある部位では互いに約50cM 離れた位置にある40 座位を選択した。これらの領域を増幅するプライマーは、増幅サイズが40~150 塩基対の範囲にあるものを選択し、10座位を含む4セットに分類することができた。領域間の増幅産物は少なくとも3塩基以上離れるように設計し、各領域のプライマーを用いた増幅では、予想された位置に検出されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LNAを導入したユニバーサルプライマーを用いた増幅効率を明らかにし、40座位の挿入欠失多型の増幅を確認することができたことから、当初予定していた計画は概ね達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
40座位の挿入欠失多型について日本人集団の出現頻度を解析することで、個人識別への有用性を明らかにする。1反応に含まれる10座位の同時検出を目標とする。これらがうまくいかない場合には、10座位を含むセット間での入れ替えや1~2座位程度減らすことで改善を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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