2012 Fiscal Year Research-status Report
虚血・再灌流障害で産生される過酸化カルジオリピンの法医診断への応用
Project/Area Number |
24590848
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢島 大介 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60451754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 久子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10292674)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂質の過酸化 |
Research Abstract |
以前の研究ではMEFs(マウス線維芽細胞)を用いて細胞死の機序の解明を行ってきたが、実験細胞をHeLa細胞(ヒト子宮頚癌細胞)に変えて、よりヒトに近い細胞を用いて細胞死の機序の解明を行っている。しかし、HeLa細胞では、以前に行っていた虚血条件では細胞死が発生しなかった。我々が用いてきた虚血条件は、細胞によっては細胞死に至るような虚血状態とはならない可能性が示唆された。そこで、pHを乳酸を用いて低下させた潅流液を用いて行い、細胞死を引き起こさせたが、これでも細胞死に至る場合と至らない場合があり、反応が一定しなかった。 他の研究で明らかとなった銅イオンによる細胞死を利用して、細胞死状態を作り出し、その時の脂質過酸化を調べることとした。銅イオンによる細胞死はアセチルシステインにより抑制され、各種電子伝達系阻害剤によっても、様々な様式で抑制されることから、酸化や電子伝達系が関連している可能性があり、低酸素下での細胞死と共通する部分が認められる可能性がある。 しかし、この実験でも細胞死が発生する場合としない場合があり、結果が安定せず、何等かの複雑な機序がこの細胞死の過程には含まれていることが示唆された。 現時点では、細胞死が安定して発生する条件が見い出せておらず、脂質の抽出には至れない状況である。 平成25年度はこの条件のさらなる検討と、本来は平成24年度に行う予定であったHeLa細胞からのリン脂質の抽出を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
細胞死を起こす条件が細胞によって異なり、今回用いているHeLa細胞は、今まで我々が使用してきた虚血・再潅流の条件では細胞死が発生せず、その条件検討に時間がかかってしまっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞死の条件の検討とともに、HeLa細胞の脂質の抽出および分析実験を進める。 LC-MS/MSでの脂質の分析条件の検討も同時に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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